【HT横浜関内店】AR(拡張現実)とホームシアターについて
HT横浜管内 渡邉です。
今回はちょっと通常の話題から外れます。
遅まきながら「劇場版ソードアートオンライン」見てまいりました。
絵や音は素晴らしいものでした。アニメは基本的音を「作る」作品ですので、サラウンドには向いています。逆に絵に関しては今回は劇場版でしたので、必要十分。爆音のようなサウンドが響き渡りました。(ガルパン以来の傾向ですね。)また6.1CHサウンドと伺っていますが、上から音が聞こえてきたような気がします。なお、一番いいシーンは、完全にネタバレになりますのでお話しできません。
さて、表題の通り、今回は作品自体も楽しいものでしたが、私としては公開前から「AR」を用いたゲームというより「AR」技術が一般生活に入り込んでいる状況やインフラの設定に興味がわいていました。
理由はもちろん、仕事に絡んでいるからです。
ホームシアターへの応用との関係も考えながら見ておりました。
今回の「オーグマー」と呼ばれるARデバイスは1本の棒状のものがレーザー光で直接網膜投射を行うものです(Google Glassと同時期に行われたいくつかのARデバイスで似たものがありました。)
が、これは網膜の中心を維持できないと絵がずれることから動きに弱く、現時点では実用化に至っておりません。コンタクトなどの別物を経由すれば出来るかもしれませんが。
結局のところ、ウェアラブル(身に着ける)ARは一時期「Google Glass」が一世を風靡しましたが
最終的に「価格」「プライバシー」「盗撮」「目立ち過ぎ」などの問題で製品化には至りませんでした。
余談ですが、「VR」は仮想現実になりますので、今ある現実を切り離して別の現実を視覚や聴覚などで見せるという点が違います。VRにカメラを付けて外部の景色に絵を追加すると、これは「AR」になります。
現在のARデバイスは投射位置が固定できることから眼鏡型、またはディスプレイまで固定されたものです。一番身近なものはEPSONの「MOVELIO」でしょうか。
EPSON 「MOVERIO」BT-300
http://www.epson.jp/products/moverio/bt300special/
逆に業務用としてはすでにかなり広範囲で使用されています。
ブラザー「Airscouter」
http://www.brother.co.jp/special/hmd/airscouter/
なお、戦闘力は表示されません・・・。
実は「拡張現実」に限った点でいえば「ポケモンGo」もARですし、車のヘッドアップディスプレイもARです。スマートフォンをかざす(スマートフォンを通してみる)と絵が変わるというもの厳密にはARです。
今回の作品では先程お話したARに付きまとう「価格」「プライバシー」の問題を行政側のバックアップと人々のモラル(多分にご都合主義ですが・・・。)を用いて一般の人々に普及した形になっています。
作品を見た方にはお分かりかと思いますが、秋葉原の真ん中で突然人々が戦闘を始めるなんてことはありませんし、AR未使用の人から見ると「何をやっているの?」という印象です。よく見ると「立入禁止」の看板や警備員と思わしき人が見えます。行政側でかなり大きなバックアップ機構があり、運営もシステマチックに行われていることがうかがわれます。行政側としては壮大な実験なのでしょう。
作品の根幹にかかわりますので多くは書けませんが、ARを生活の一部として使うにはまだまだハードルが高いようです。2026年は・・・・よほど力を入れない限り無理なんじゃないかと思います。
さて、話を現代に戻して、ホームシアターとARですが、これは意外に近いところにあると考えています。
まず、ホームシアターは家の中限定です。今までのARの弱点であるプライバシーの問題は基本的には関係ありません。使用用途もあくまで家の中です。
また、すでにホームシアターではすでに3Dグラスを使っています。現在使用中のお客様はそう大きな抵抗はないかと思います。
この「3Dグラス」を「AR内臓3Dグラス」にすればいいということです。
ARの技術が入り込むと、グラスは3Dの機能だけではなくなります。
映画を見ながらARでリモコンを表示して操作したりできます。
具体的なイメージとしてはこれが
こうなります。(私が作成したあくまでイメージです。)
※画像クリックで拡大できます。
画面右側にリモコン関係、字幕は画面の外、左上に時間、左下にパンフレット電子書籍の購入案内(見るときは拡大できます。)などなど。もちろん位置の移動や大きさの変更、消去も可能です。
特に字幕についてはARで大きさや位置、よく言われる「意味が足りない」という点も含めて自由に表示が可能になるかと思います。
なお、実際の操作は空間に表示されたアイテムに対して、視点認識とカメラによる指の認識で行われます。こちらについては少し前の物ですがとてもわかりやすい映像がありましたので掲載しておきます。
YouTube: A vision of the future through immersive 3D glasses, by Atheer
字幕はすでに演劇などで使用したケースがあります。
DNP、スマートグラスを使ったAR能楽鑑賞システムをソニーらと開発
http://k-tai.watch.impress.co.jp/docs/news/1010487.html
これ以外にも作品中のアイテム購入に結び付けたりということが可能になり、もともと表示されている映像に視点選択機能などを追加することで、大画面の見方が変わるものと考えられます。
時間の質を求めるホームシアターとしては有用なアイテムです。必要に応じて機器の設置位置が表示されて暗室で躓かないなんてことも可能かと思います。
家の中で動く場合でも意味があります。
例えば海外で発売されているデノンの「HEOS」スピーカー。
これはスピーカー自体がネットワークに接続されており、Bluetoothの様に送り出し機械と一対一で接続していません。
このようなケースの場合、視点で認識を行えば目の前にアプリが立ち上がる、なんて仕組みを作れば家の中の機器を視点でコントロールできます。
この景色の中で
HEOSデバイスを認識したと同時に視界にHEOSアプリが立ち上がり(自動か確認は選べると思います。)アプリ操作が可能になります。もっとも、家の中だから出来る事ではあるのですが・・・。
現在、ARで一番高性能で入手可能なものはMicrosoftの「Hololends」です。
https://www.microsoft.com/microsoft-hololens/ja-jp
しかし、まだ開発者向けのものでありお値段40万円以上のものです。
操作に関しては、AV WATCH 西田 宗千佳様寄稿の記事に詳しく出ていますので転載させて頂きます。
「空間すべてがディスプレイ」になる快感、HoloLensから感じる「偉大な第一歩」
http://av.watch.impress.co.jp/docs/series/rt/1045890.html
私個人としては、この価格が5万円以内に落ち込めば・・・現実的かなという気がします。
この手の技術は「欲しい」と思う事「必要」と考えることの2つがないと実現しません。
通信規格の統一や情報提供方法は本体だけでなくスマートフォンやPCから無線で双方向通信を行えば何とかなるでしょう。ハイエンドスマートフォンは4K HDRに手が届いています。ARの処理であれば問題ないかと思います。
3Dグラスの代わりにARグラスを装着していつも以上の空間を作る。こんなご提案もそう遠くない時期にできるのではないかなと思いました。
また、透明度0%が作れれば、スクリーンを仮想設置できるかもしれません。
先程の「Hololends」を使ってARグラス越しから仮想スクリーンを作れば、こんな感じでしょうか。
(マイクロソフト様、機材お貸出しお願いできれば・・・。ブログ書きます!)
最後にこんな情報が・・・・。あれ?ARは以外に近いかもしれません。テレビ限定かもしれませんが下手をすると今年?
iPhone 10周年、AppleがARメガネを開発か--
https://japan.cnet.com/article/35095149/
手の早い企業はもう動いているようです。
たまにはこんな未来のお話も入れてみたいと考えております。
ご来訪をお待ちしております。