【大阪梅田店】『デジタル時代のホームシアター近代史:最終章 フルHDから4Kへ』
何とか年内に間に合ってホッとしている渡部です。
前回2009年から2010年までを書いた【第9章】は難産でしたが、9月から始まったこの連載もようやく【最終章】までたどり着きました。
2011年以降というと、ついこの間のことですので、それほど書くことは多くないですが、フルHDから4Kへ移り変わる重要な時期ですので、そのあたりを中心に、これはというモデルを取り上げさせていただきます。
2011年前半は、まだまだ3D対応機器の発売ラッシュが続きます。
ライバル機に若干遅れましたが、MITSUBISHI初の3D対応プロジェクターLVP-HC9000Dが発売されます。
MITSUBISHIが3Dプロジェクターのデバイスに選んだのは、なんとSONYの0.61型SXRDでした。
しかし、そこから映し出されるのは、先鋭感とハイコントラストを基調にしたVPL-VW90ESとは異なり、輪郭強調を感じさせないアナログ調の緻密で柔らかな映像でした。
搭載されるMITSUBISHI初のフレーム補間機能「FRC(フレームレートコンバーター)」は、フレーム補間が苦手な人も納得の出来栄えで、特に「トゥルーフィルム」はフィルムの質感を損なわない絶妙なセッティングでした。
3Dは、第1世代機ということもあり若干暗めですが、ガンマのセッティングが巧みで、暗部の見通しの良い映像でした。
OPPO系プレーヤーも3D対応機になり、ラインナップが増えます。
NuForce BDP-93 NuForce Edition
NuForce BDP-93 NuForce Extreme Edition
そして、満を持して本家OPPOのBDP-95が国内販売を開始します。
いまや、その高音質でオーディオ&ビジュアル界のトレンドになっているESS Technology社の32bitDAC「SABRE 32」を搭載し、ほぼすべての12cmディスクを再生できる機能性と、レスポンスの良い操作性で、視聴会用再生機としてフル活用されます。
この頃から、国産の高級Blu-rayプレーヤーが姿を消し、高級志向のユーザーの選択肢は、このモデルか、この後紹介するハイエンドBlu-rayレコーダーに絞られます。
その一つが、高級Blu-rayプレーヤーを求めるユーザーをも満足させるべく開発されたPanasonicのDMR-BZT9000です。
今まで弱いと言われてきた筐体が強化され、コンパクトながらズシリとした重量感は、高級機としての風格を感じさせます。
その筐体は確実に音に効いて、今までのややふくよかで安定感重視の音から、締りがあり繊細な表現力に変わりました。
レコーダーを極力プレーヤーに近づける「シアターモード2」により、チューナーとHDDに加え、冷却ファンも完全停止になりました。
ハイクラリティーサウンドも「ハイクラリティーサウンド2」に進化し、アナログ映像回路の停止だけでなく、CD再生時にはデジタル映像回路とHDMI回路を停止するという徹底振りです。
今までの高画質に加え、音質に徹底的にこだわった仕様は、市場の状況で高級Blu-rayプレーヤーを作れない環境下でのPanasonic開発陣の意地を感じます。
もう一つは、SONYのフラッグシップ機BDZ-AX2700Tです。
SONYのBlu-rayレコーダーは、低ビットレートの録画・再生に強さを発揮します。
それは「インテリジェントエンコーダー3」になってさらに巧みになりました。
高画質回路「CREAS Pro」による多彩な調整項目も魅力です。
特に「フィルムグレイン調整」は他にはない機能で、粒状感を自在に調整できます。
AVアンプでは、Pioneerが、Blu-rayソフトの低音(LFE)信号の遅れにまでメスを入れた「フルバンドフェイズコントロールプラス」を、VSA-LX55に初搭載します。
Blu-rayソフトの製作段階でそんなことがあるの!?と思いましたが、実際に補正前と補正後を聴き比べると納得でした。
これは、「フェイズコントロール」で機器側のLFEをきちんと合わせる事ができるPioneerのAVアンプだからこそたどり着いた、未開の境地です。
この機能は、上位機種SC-LX85にも搭載され、空前の大ヒットを記録します。
個人的には、「フルバンドフェイズコントロール」で常用する「フロントアライン」が追加されたのが嬉しいです。
これは、「フルバンドフェイズコントロール」は使いたいがL、Rchの音はいじりたくないという要望に応え、すべてのchの補正をフロントL、Rchに合わせるモードです。
YAMAHAからは、RX-A3010が発売され「AVENTAGE」シリーズがスタートします。
DSP-Z11以来のシネマDSP HD³搭載機です。
シネマDSP HD³搭載と謳うだけあって、音のリファレンスもDSP-Z11との事です。
その高い志は音に現れ、 RX-V3067から一皮剥けた音です。
特にHDフォーマット+シネマDSP HD³の圧倒的な3次元サラウンド空間は、DOLBY PROLOGICⅡzやDTS NEO:Xに対応した他のAVアンプを圧倒します。
プロジェクターでは、3D対応機のクオリティーが大幅に向上します。
3D対応2世代目になるSONYのVPL-HW30ESの3Dは、もの凄い進化を果たします。
「ダイナミックランプコントロール」という技術で、「明るさ」と「クロストークを減らす」という相反する要素を両立し、従来の3Dよりも数段明るい映像を実現しました。
従来のダイナミックな3D表現と相まって、3Dの楽しさを十分味わわせてくれ、価格的にも3Dをより身近にしてくれました。
EPSONからは、透過型液晶初の3D対応プロジェクターEH-TW8000/TW8000Wが登場します。
なんと480Hzという8倍速駆動のD9パネルを使い、クロストークの低減と高輝度化を実現しました。
細部の解像度はハイエンド機種に及ばないものの、3D視聴によるストレスはほとんど無く、一号機でこの完成度は流石と言えます。
また、EH-TW8000Wで実現したワイヤレス伝送は、従来のものと違い非圧縮で伝送できるので、画質の劣化を感じることはほとんどありません。
また、長尺のHDMIケーブルで繋ぐ必要が無いというのは、ユーザーのニーズにバッチリ合致し、大ヒットになりました。
3D対応プロジェクターで忘れてはならないのが、MITSUBISHIのLVP-HC7800Dです。
3Dと相性が良いと言われるDLPに、MITSUBISHIはさらなる画期的な手法を用います。
強誘電性液晶という高速3Dメガネを使い、カラーホイールの境目にある「スポーク」と呼ばれる部分を、3Dメガネのシャッターが切り替わる際のブランキングに使うという途方も無いことをやってのけます。
さらに、LVP-HC9000Dに搭載されていた「FRC(フレームレートコンバーター)」が5段階に調整可能になり、3D再生時にも使えるようになりました。
これらにより3D再生の問題点「クロストーク」「ジャダー(ガタツキ)」「フリッカー(ちらつき)」「輝度落ち」を解消します。
特に「クロストーク」」「フリッカー(ちらつき)」は、3D視聴時のストレスや目の疲れの原因になり、これらがほとんど無いLVP-HC7800Dの3D映像は、3Dを見ているという意識がなくなってしまうほど自然です。
3D専用機として持っていても良いと思えるくらい、最強の3Dプロジェクターです。
JVCからは、4K e-shiftを搭載したDLA-X90R/X70Rが発売され、「4K」という言葉が浸透し始めます。
8KスーパーハイビジョンのためにNHKと共同開発をしたe-shiftの技術を使い、フルHDパネルで4K解像度を実現しました。
ただし、この時点でリアル4K信号の入力には対応しておらず、4K e-shiftはフルHD映像の高画質化のために使われます。
それでもその効果は大きく、2D画質の進化ではやや停滞気味のホームシアタープロジェクター界に、さらなる高画質の可能性を提示してくれました。
また、この時点ではDLA-X90Rのみの特権「オートキャリブレーション」の搭載もトピックです。
そして、いよいよリアル4Kパネルを搭載したSONYのVPL-VW1000ESが発売され、4K時代の幕が開けます。
一足先にCEATEC JAPAN 2011で見た映像では、リアル4K映像の綺麗さはもちろんですが、フルHDからのアップコンバート映像のすばらしさに驚きました。
その時のレポートがこちらです。
正直実際の映像を見るまでは、リアル4Kコンテンツが無いのに4Kプロジェクターを出す意味があるの?と思っていましたが、完全に4K推進派に寝返ってしまいました。
特にデータベース型超解像技術「リアリティークリエーション」は、エンハンサーが嫌いな私でも惚れてしまいます。
フルHD映像から4Kの解像度と質感を感じさせてくれるのは、リアル4Kパネルのみならずこのアップコンバーターのおかげです。
VPL-VW1000ESが締めてくれた2011年に続き、2012年も4K対応モデルが続々登場します。
ちなみにこの年の3月に大阪梅田店がオープンします。
AVアンプは4Kパススルーや4Kアップコンバート機能を備えたモデルが登場します。
PioneerのSC-LX86は、前年話題になったソフト側のLFEの遅れを補正する「フェイズコントロールプラス」がオートになりました。
マニュアル操作ではソフト側の遅延量を事前に把握しておく必要があり、実用性はいまひとつでしたが、「オートフェイズコントロールプラス」になり、誰でも簡単にその効果を享受できるようになりました。
それに加え、LFEの位相が反転しているソフトにも対応できるのが大きな変更点です。
DENONは、AVR-4520でいよいよ32bitDACを搭載します。
バー・ブラウンの32bit DAC「PCM1795」を11.2ch分搭載するという豪華な仕様と、9chディスクリート・モノラル構成されたパワーアンプ部を持ち、最新技術で武装されたSC-LX86と違い、正攻法な物量投入で高音質を実現します。
Blu-rayプレーヤーやBlu-rayレコーダーも、4K出力対応モデルが登場します。
DMR-BZT9300の「4Kダイレクトクロマアップコンバート」による鮮度の高い画は、プレーヤーで4K出力をするメリットを実感させ、BDZ-EX3000の“CREAS Pro” for 4Kによる細かな映像調整は、4Kの奥深さを感じさせてくれます。
この年のプロジェクターは、時代を反映してか数が少なく、若干寂しい気がしましたが、中にはかなりの力作もありました。
SONYのVPL-HW50ESは、VPL-VW1000ESでも好評な「リアリティークリエーション」を搭載し、エントリークラスの画質レベルを大きく引き上げました。
3Dエミッターが内蔵されたのも、嬉しい変更点です。
MITSUBISHIのLVP-HC8000は、前モデルで評価の高かった3D映像に加え、2D画質を大幅にグレードアップしてきました。
緑のセグメントを狭めて白ピークを伸ばし、可変アイリスを含む4つのアイリスで黒を締めることで実現したコントラストは、DLPを見続けてきた人間には信じられない圧巻のレベルでした。
また、3D用に搭載した2つのフォーマッターボード「DDP3021」を使った緻密な階調表現も、このモデルの凄いところです。
4Kプロジェクターというよりも、最強の2Kプロジェクターと呼びたいJVCの4K e-shift搭載機も3ラインナップに増えました。
4K e-shift2になり、映像処置技術MPC(マルチプル・ピクセル・コントロール)も進化し、より4Kアップコンの恩恵が分かりやすく、どのような映像にも効果的に働く懐の深さを身に着けました。
さらに3DにもMPCが働くようになり、今までよりもダイナミックな3D表現が可能になりました。
そして今年2013年になり、SONYのVPL-VW500ESやJVCのDLA-X700R/X500Rが好調な売れ行きをみせております。
4Kに対するユーザーの皆さんの期待の高さがうかがえます。
こうして振り返ってみると、今の高画質・高音質は、一朝一夕ではなく、長年の積み重ねがあって実現されたものだと改めて思いました。
今は高画質・高音質を簡単に手に入れられてしまいますが、それを受身ではなく積極的に使いこなすことで、更なる高みを目指していっていただけたら、より楽しく充実したホームシアターライフが送れると思います。
来年は、4Kコンテンツや4K放送が実現するかもしれません。
SONY 4K Ultra HD Media Player FMPX1
さらに、新サラウンドフォーマットDOLBY ATMOSが、家庭で楽しめる時代が来るかもしれません。
ホームシアターの進化はまだまだ続きます。
アバックは来年もホームシアターの楽しみを広げる為にがんばります
それでは良いお年をお迎え下さい。
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