【大阪梅田店】『デジタル時代のホームシアター近代史:第6章 DVDから次世代プレーヤーへ!!』
このブログで過去を思い出すことで脳が活性化している渡部です。
フルHDプロジェクターが登場し、フルHD収録ソフトへの期待が膨らみつつある2005年を描いた【第5章】でしたが、【第6章】は、HD-DVDとブルーレイのソフトが発売され、フルHDプロジェクターが一気に増える2006年を取り上げます。
この年は、次世代プレーヤー登場前の、DVDプレーヤー最後の高級機と呼べるモデルが発売されます。
まず取り上げたいのが、究極のDVDトランスポートESOTERICのP-03 Universalです。
このモデルは、SACD/CDトランスポートP-03にDVD再生機能を追加したモデルです。
とはいえ、ただDVD再生機能を付けましたというような安易な製品ではありません。
映像DACにはアナログデバイス社製の14bit/216MHzの「ADV7324」 、スケーラーにはアンカーベイテクノロジーの最新LSI「ABT1018」 を搭載しています。
オーディオ再生の機能と造りはP-03を踏襲し、オーディオプレーヤーとしても一級品です。
このP-03 UniversalからVictorのDLA-HD12K/11Kのプロジェクションヘッド部DLA-HD10KにHDMIで直接接続し、1080p出力で見たDVD「スターウォーズ エピソード3/シスの復讐」は、ハイビジョンが要らないんじゃないかと思わせる高解像度・高S/N映像でした。
DENONからも、最後の名機と呼び声の高いDVD-3930が発売されます。
DVD-A1XVAではスケーリングのみを行っていたシリコンオプティクスの「REALTA」を搭載し、I/P変換とスケーリング両方を行います。
HDMI映像だけなら上級機も凌駕する凄さです。
ちなみに「REALTA」は、プロジェクター等に採用されている「Reon VX」の上級チップになります。
また、DENONで初めてDVD-RWのVRモード再生に対応したのも嬉しいポイントです。
明らかに録画映像はレコーダーで見るより高画質でした。
次世代プレーヤーでは、3月に初めてのHD DVDプレーヤーTOSHIBA HD-XA1が発売されます。
TOSHIBA HD-XA1
ブルーレイに先行しての発売になりますが、DOLBY TrueHDは2chダウンミックス、DTS-HDはコア部分までの対応で、いずれもリニアPCM変換5.1ch出力までと、ロスレス音声に完全対応とは言いがたく、若干発売を急ぎすぎた感はありました。
7月に発売された初のHD DVDレコーダーRD-A1も話題になりました。
ソニーの初ブルーレイレコーダーBDZ-S77に匹敵する物量投入モデルです。
スケーラーに、先のP-03 Universalと同じアンカーベイの「ABT1018」を搭載し、TOSHIBA初の1080p出力を実現。
映像DACには、HD映像を4倍オーバーサンプリング出来る297MHz/14bitのアナログデバイセス製を採用と、一切の妥協がありません。
音声回路も、ハイビット・ハイサンプリング処理可能な192kHz/24bit DACやクリスタル発振器によるクロックジェネレーターを搭載し、高級オーディオプレーヤーも真っ青な造りです。
非常に魅力的な造りや装備にもかかわらす、動作の緩慢さや不安定さは、このモデルの評価を下げる要因となりました。
HD DVDソフトの音声対応も、HD-XA1と同じ仕様です。
また、録画メディアHD DVD-Rの15GB/75分(1層式)という中途半端な容量も、ブルーレイとのメディア競争に敗れた一因ではないかと思います。
一方ブルーレイは若干遅れて、11月に発売されたPanasonicのブルーレイレコーダーDMR-BW200で、初めてBD Video再生に対応します。
Panasonic DMR-BW200
録画用BD-REディスクもBlu-rayディスクリライタブルフォーマット Ver.2.1となり、カートリッジが無い現在の形になります。
また、一回のみ録画可能なBD-Rも登場し、一気に録画機としての完成度が高まります。
1080p出力可能なHDMI出力を装備し、片面2層式(50GB)もサポートするなど、死角の無い造りは現在のDIGAにも繋がります。
ただ、残念ながらBD Videoのロスレス音声(DOLBY TrueHD、DTS-HD Master Audio)に関しては、コア部分(DOLBY DIGITAL、DTS)のみの再生という仕様でした。
ディスプレイでは、Pioneerから50インチプラズマディスプレイ初のフルHDパネルを搭載したPDP-5000EXが発売され、その高画質に注目が集まりました。
フルHD化に伴う画素の精細化による輝度低下と描写速度の問題を、「高純度クリスタル層」による発光効率と放電速度の向上で解決し、予備放電を抑えることで以前より深い黒を実現しました。
「フレックスCLEAR駆動法」等を内包する“フルHD P.U.R.E. Drive”のような、今まで積み重ねてきた技術の結晶が、この高画質を実現させている点も見逃せません。
それらの技術的なこともさることながら、多くのディスプレイが店頭栄えする画作りを行う中、真摯な画作りでこれだけ説得力のある高画質を実現した事は、クオリティーを重視するユーザーの賞賛を浴びると共に、後のKUROへと繋がる礎になったと思います。
プロジェクターもフルHD化の波が訪れ、DLPと液晶から続々フルHDモデルが発売されます。
6月に先頭を切ってmarantzから初のフルHD対応DLPプロジェクターVP-11S1が発売されます。
フルHD化で重要になるのは、まずレンズだと思います。
周辺の画像歪みが生じない「非球面レンズ」と「AD(異常分散)レンズ」を採用したコニカミノルタ製カスタム光学系は、前モデルVP-12S4を踏襲した物です。
実は、VP-12S4には、フルHD対応を見据えた光学系と筐体が先行して搭載されていたのです。
処理能力が求められるパネルドライバーも、新開発の「DDP3021」を2基搭載し、ガンマ処理の12bit化により従来の4倍の階調表現が可能になりました。
これにより一番驚いたのは、DLPプロジェクターの弱点である暗部の誤差拡散ノイズが、ほとんど目立たなくなったことです。
前モデルにも搭載されたジェナム製ビデオプロセッサーも「GF9351」に進化し、質の高い高精度な映像処理のみならず、アナモフィックレンズ使用時のVストレッチ機能や、1080/24p入力に対応するなど、先進的な仕様もこのモデルの価値を高めます。
当時オフレコでしたが、0.95型フルHD DMDチップの選定基準も他メーカーより厳しく、より精度の高いDMDチップを選別して使っているとの事でした。
性能と仕様は現在でも十分通用しますので、中古で見つけたら即ゲットをお奨めします。
やや遅れて、10月にSHARPからもフルHD対応DLPプロジェクターXV-Z21000が発売されます。
SHARP ZV-Z21000
まずこのモデルで注目すべきは、オートアイリスを使用することなく実現したネイティブコントラスト12000:1という圧倒的なコントラストでしょう。
オートアイリスの普及により数字自体は驚く物ではないですが、実際の映像はこれまでと明らかに次元が違う圧倒的なハイコントラスト映像でした。
この頃は、「プロジェクターは黒が命!!」という風潮もあり、この映像は高い支持を得ました。
また、marantzのVP-11S1と比べて割安感があったのも人気の理由です。
こちらもコニカミノルタと共同開発のフルHD対応レンズを搭載しています。
通好みで渋い画作りのVP-11S1と、分かりやすくインパクトのあるXV-Z21000という図式だったように思います。
透過型液晶プロジェクターもフルHDモデルが複数登場します。
現行のEH-TW8200にも搭載されているC²FINEと呼ばれるフルHD解像度のパネルが登場します。
このパネルは、従来の無電圧時が白になる「ノーマリーホワイト」ではなく、無電圧時が黒になる「ノーマリーブラック」方式を採用し、液晶の弱点である黒浮きを抑え沈んだ黒を実現しました。
また、有機配向膜から無機配向膜に変わったことにより、色むらが出づらくなりパネル寿命が伸びたのも嬉しいポイントです。
このパネルを搭載したMITSUBISHI久しぶりの液晶プロジェクターがLVP-HC5000です。
MITSUBISHI LVP-HC5000
このプロジェクターがフルHDを一気に身近にしてくれました。
それでも、コストを抑えつつもクオリティーに妥協しないのはさすがです。
あえてレンズシフト量とズーム率を抑えたEDガラスレンズは、ライバル機に比べ、色収差が少なく周辺フォーカスも良好でした。
また、フォーカス・ズーム・レンズシフトが電動なのも意外と便利で嬉しい機能です。
動作に若干改善の余地はあるものの、オートアイリスがMITSUBISHIプロジェクターで初搭載されました。
MITSUBISHIのプロジェクターとしてはかなり意欲的に白ピークを伸ばし、抜けの良い画が印象的です。
高性能なレンズと相まって、珍しくクッキリした映像は、映像プロセッサー「ReonVX」の特徴が出ていると思います。
同じくフルHD対応になったPanasonicのTH-AE1000は、720p時代の技術を使った完成度の高いモデルです。
Panasonic TH-AE1000
フルHDとはいえ画素間の格子が太い透過型液晶にも有効な「スムーススクリーン」や、ハリウッドトップカラーリストがチューニングを行った「ハリウッド画質」も健在です。
特に激しいカット割りでも開閉動作を感じさせない「ダイナミックアイリス」は、一日の長を感じます。
本家EPSONもEMP-TW1000でフルHD市場に参入します。
EPSON EMP-TW1000
パネル開発メーカーだけあり、パネルの使いこなしが他メーカーより旨く、搭載のオートアイリスを使わない状態でも黒の沈み込みは十分です。
また、この当時唯一のHDMI Ver1.3採用モデルとしても話題になり、Deep Color出力に対応したブルーレイプレーヤーとの接続を心待ちにするファンも多かったと思います。
SONYはフルHD SXRDプロジェクターVPL-VW100の弟モデルVPL-VW50を発売して、VPL-VW95ESへと続くSXRDミドルクラスプロジェクターの流れを作ります。
SONY VPL-VW50
ランプはVW100のキセノンから水銀に変更になりましたが、明るさやランニングコストの面でこのクラスを購入するユーザーにはマッチしていたと思います。
弟モデルとはいえ、コントラストやパネル開口率の広さで透過型液晶とのクラス差を感じさせます。
VPL-VW100では未対応だった1080/24pに対応するなど、ただの下位モデルではない進化も見せます。
フルHD以外のプロジェクターもまだまだ消えておらず、SHARPからは1280×768パネルのDLPプロジェクターXV-Z3000がLVP-HC3000のライバルとして登場します。
SHARP XV-Z3000
XV-Z21000でも使われている電動デュアルアイリスを使い、ネイティブ6500:1という凄まじいコントラスト比を叩き出します。
MITSUBISHIも、LVP-HC3000の後継モデルLVP-HC3100を出して応戦します。
MITSUBISHI LVP-HC3100
0.65型DMDチップも、いよいよ「Dark Chip3」になりました。
コントラストは4500:1と控えめながら、レンズ性能の良さと熟練の画作りで対抗します。
透過型液晶プロジェクターでは、この年フルHDパネルを出さなかったSANYOは、720pモデルLP-Z5を発売します。
SANYO LP-Z5
スペックも画作りも、720pではすべてやり尽くしたと思わせる完成度でしたが、フルHDの陰に隠れてしまった感があり、隠れた名機と言えるかもしれません。
【第6章】は、プロジェクターが一気にフルHD化される2006年を書きました。
【第7章】では、コントラスト革命を起こしたVictorのDLA-HD1が登場し、いよいよロスレス音声が聴けるようになった2007年をお届けします。
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