【大阪梅田店】『デジタル時代のホームシアター近代史:第5章 フルHD1080p時代の到来!!』
ジョシュ・バーネットにはUFCのタイトル戦までがんばって欲しい渡部です。
デジタル時代への移り変わりを強く感じる2004年を書いた【第4章】でしたが、【第5章】ではフルHDパネルのプロジェクターが複数登場する2005年を書きたいと思います。
とはいえ、まだまだ720pパネルの強力なモデルも健在です。
2月にDarkChip3を搭載したmarantzのVP-12S4、VP-13S1が相次いで発売されます。
映像プロセッサーに、従来のファロージャではなく、業務用で実績のあるジェナム社と共同開発をした「GF9350」を搭載し、パネルのみならず映像処理も強化されました。
民生機用としてはオーバースペックとも思える、GF9350のVPXテクノロジーによる映像品位を損なわない「解像度」「クッキリ感」の向上は、新しいmarantzの画作りとして印象に残りました。
この辺りにも時代の移り変わりを感じます。
両モデルの違いは、「GF9350」のバージョンと、投射距離及びレンズシフト量です。
また、メジャーな存在にはなれませんでしたが、透過型液晶初のフルHDプロジェクター、富士通ゼネラルのLPF-D711もこの頃発売されます。
若干時代が早すぎた感が残念ですが、確実にフルHD時代の到来を予感させてくれました。
プロジェクターやディスプレイのフルHD化に呼応するように、DVDプレーヤーも1080p出力対応モデルが登場します。
marantzのDV9600は、アンカーベイ・テクノロジーのビデオスケーラーによる1080p出力に対応し、marantz初にして唯一のi-Link搭載モデルです。
同社のAVアンプSR9600とi-Linkで接続することで、DSDまで含めた信号を、JFTS(Jitter Free Transfer System)による高音質なデジタル伝送で再生可能です。
また、【第4章】で紹介したDENONのDVD-A1XVも、DVD-A1XVAになり1080p出力対応になりました。
その他、1080p出力には対応していませんが、i-Link搭載機種も増えました。
この時期のHDMIは、音声伝送は可能でしたが、SACDのDSD音声の伝送までは対応していなかった為、まだi-Linkが必要とされていました。
PioneerのDV-AX5AViは、いままでよりもさらに音質を重視したDVDプレーヤーでした。
前モデルDV-S969AViから4.5kg重くなったボディーと、本体表示の下に移動したDVDドライブを見るだけでも十分感じるものがあります。
それは「トリプルレイヤードシャーシ」と「低重心ダイレクトメカマウント」という高音質設計の結果です。
DV-S969AViのスイッチング電源から、Rコアトランス電源に変更するなど、細かなパーツまで妥協しない設計は、確実に「音」に結実しています。
高画質LSI「VQE9」による、10bit精度のフルデジタルでの高品位は映像処理は、映像信号(24F)と字幕情報(30F)を別々に処理することにより、字幕のコーミング(スダレ状の残像)を無くすという先進的な処理までこなします。
組み合わされるAVアンプVSA-AX4AViには、今のPioneerのAVアンプに無くてはならない「フェイズコントロール」が初搭載されます。
この頃のフェイズコントロールは、ローパスフィルターの影響による低音のズレを補正するという物でしたが、ここから進化し、後の「フルバンドフェイズコントロール」「フェイズコントロールプラス」に発展・進化していきます。
SONYのDVP-NS9100ESも、1080iまでのスケーラー付きHDMIとi-Linkを装備し、「スーパーオーディオD/Aコンバーター」を搭載した、SACD再生機能を前面に押し出したDVDプレーヤーです。
同社旗艦マルチチャンネルアンプTA-DA9100ESとi-Link接続することにより、双方向同期伝送を行なう「H.A.T.S.」が働き、DSD他の低ジッター高音質伝送が可能です。
SONY版フロー制御「H.A.T.S.(High quality digital Audio Transmission System)」は、PioneerのPQLS同様、その後HDMIでも「H.A.T.S.for HDMI」として応用される技術です。
このモデルから、ついにD.C.A.C.(自動音場補正)が搭載されます。
「フラット・モード」だけではなく、フロントスピーカーを基準にする「フロント・リファレンス」や、設計環境を再現する「エンジニア・リファレンス」など、現行のTA-DA5800ESにも受け継がれる仕様になっている、完成度の高い補正機能です。
「S-Master」「S-Master PRO」と進化したデジタルアンプ回路も「32bit S-Master PRO」になり、演算ダイナミックレンジが120dBから168dBまで向上、新たに32bit LSIに内蔵された「DCフェーズリニアライザー」の効果もあり、デジタル臭さをより感じない音になっています。
HDMI端子も装備し、1080p入出力に対応するほか、アナログ入力をHDMIから出力させるA/D変換や、アップ&ダウンコンバートも可能です。
i-Linkを装備したDVDプレーヤーは他に、ESOTERICのUX-3とその音質バージョンアップモデルUX-3SEがあります。
ESOTERICのモデルは、6ピンタイプのi-Link端子を装備し、ロック機能を備えていました。
ESOTERICには、当時こんな豪華なi-Linkケーブルもありました。
プロジェクターも年末にかけて続々発売されますが、特にエントリーからミドルクラスの充実度は目を見張ります。
EPSONの「D5パネル」を搭載した720p液晶プロジェクターが各社より発売されます。
本家EPSONのEMP-TW600は、オートアイリスを新搭載し、リフレクターを追加したE-TORLランプにより1600ANSIルーメンを実現。
「Newエプソンシネマフィルタ」の搭載による、広色域と純度の高い色再現性で、ライバルを圧倒します。
SANYOのLP-Z4は、固定アイリスと可変アイリスの「ツインアイリス」でコントラスト比7000:1を実現。
また、最近では搭載機の多い、電動スライドシャッターを初めて搭載します。
Panasonicは、ダイナミックアイリス(オートアイリス)を他メーカーより先駆けて搭載していましたが、TH-AE900でも新ダイナミックアイリスに進化し、一歩先を行きます。
格子を目立たなくするおなじみの「スムーススクリーン」も進化し、映像がぼやける弊害を減らし先鋭感を向上させています。
PJ-TX100Jで旋風を巻き起こしたHITACHIも、自慢のレンズをブラッシュアップした、PJ-TX200Jを投入しました。
贅沢にもEDレンズを4枚使用し色収差を極力抑え、レンズアイリスとアクティブアイリスを併用した「デュアルアイリス」により、LP-Z4と同じコントラスト比7000:1を実現。
ボディーカラーに負けない漆黒の闇を再現しました。
唯一EPSON以外で自社製液晶パネルを使うSONYのVPL-HS60は、透過型液晶プロジェクターで初めてコントラスト比10000:1を達成します。
主役の座はフルHDモデルに取られてしまった感じですが、周辺フォーカスに優れた「オールレンジクリスプレンズ」も上級機譲りで、液晶プロジェクター最高峰の映像でした。
DLPプロジェクターでは、MITSUBISHIから小さいながらも凄いモデルLVP-HC3000が登場します。
0.65型ながら1280×768パネルを搭載し、1チップでI/P変換、画素変換、デジタルガンマ補正までこなす、脅威の処理スピードを持ったフォーマッターボード「DDP3020」による滑らかな階調表現は、ハイエンドDLPプロジェクターを凌ぐ程でした。
ハイエンドDLPプロジェクターでは、YAMAHA最後のDLPプロジェクターDPX-1300が発売されるのみという、若干寂しい状況でした。
映像プロセッサーに、I/P変換で定評のあるシリコンオプティクスのHQVを搭載し、ヤマハDLPプロジェクターの最終形にふさわしい完成度でしたが、DLPプロジェクターの低価格化とフルHDパネルプロジェクターの登場により、いまひとつ話題にならなかったのは残念です。
そしていよいよSONYとVictorより、フルHDパネルの本格参入モデルが発売されます。
QUALIA004に次ぐSONYのフルHD SXRDプロジェクター第2弾、VPL-VW100の登場です。
QUALIA004の0.78型SXRDから、新開発の0.61型SXRDにパネルサイズは小さくなりましたが、反射率が65%から74%に、デバイスコントラストが3000:1から5000:1へと向上し、実質的な性能は上がっています。
開口率のみ、92%から90%へ下がっていますが、DLPでも約87%ですので、十分な性能を有しています。
映画館の映写機に使われているキセノンランプの採用も話題でした。
VictorのD-ILAプロジェクターが、本格的に民生プロジェクター市場に参入してきたモデルが、DLA-HD11K/DLA-HD12Kです。
プロジェクションヘッドとプロセッサーのセパレート構成で、DLA-HD11KはアンカーベイテクノロジーのAVハブプロセッサーがセットになります。
iScanVP30のVictorカスタムとも言えるAVハブプロセッサーから、1080pの信号をデジタルでプロジェクションヘッドへ送ります。
DLA-HD12Kは、ファロージャの最新I/P変換回路を内蔵したデジタルビデオプロセッサーとセットになります。
プロジェクションヘッド本体も、剛性が高く高級感に溢れる作りなのがマニア心をくすぐります。
そのわりに、交換ランプの価格の安さはヘビーユーザーには嬉しいポイントです。
両モデルともに、投射距離の長いロングズームモデルDLA-HD11KL/DLA-HD12KLをラインナップしていました。
この時代のフルHDプロジェクターは、今の4Kプロジェクターのような存在だと思っていただければ、イメージが沸くと思います。
この当時、DVDの1080p出力や1080iのハイビジョン放送はありましたが、ブルーレイやHD-DVDの1080p収録ソフトはまだ出ていないという、ちょうど今と同じような状況でした。
気の早いオーディオ&ビジュアルファンは、まだ見ぬ1080p収録のパッケージソフトに思いを馳せていた時代です。
【第5章】はここまでになります。
【第6章】では、いよいよHD-DVDが発売され、DLPと液晶のフルHDパネルが登場する2006年をお届けします
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11月16日(土)は「AVアンプ頂上決戦!! YAMAHA CX-A5000&MX-A5000 vs Pioneer SC-LX87!!」を開催します
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11月23日(土) 「SFORZATO DSP-03 vs LINN AKURATE DSM、SONY HAP-Z1ES vs marantz NA-11S1!!」開催決定
人気のネットワークプレーヤー対決
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