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2017年12月30日 (土)

【HT横浜関内店】 8Kどうでしょう(2020.2.7更新)

2020.2.7:SONY BRAVIA Z9H、LG OLED8K等実情に反映させております。

HT横浜 渡邉です。

Kao

どこかの番組のようなタイトルですが、

最近このようなご質問を頂きました。

「8Kシアターって実際に可能なんですか?」

150529_nhk_02

以前、将来的なお話を書かせて頂きましたが、その後若干変化も出てきました。
実際に8Kを想定した仮想配線なども引いた上で、情報のアップデートをさせて頂きます。

なお、長いです。ご容赦ください。

まず、全般的な変化としては技研2017の項目でも書きましたが
「理論から実践への変化がスタートしている」という状況です。

NHK技研2017 スーパーハイビジョン

https://www.nhk.or.jp/strl/open2017/tenji/index.html?type4

Giken_henshu2017

まず決まっていることとして
「2018年12月1日にNHKの8K放送スタート」
これは確定しています。

8kshv_logo

もちろん、同時にBS-4Kもスタートします。但し、8Kの放送はNHKだけです。
現時点では、トランスポンダ使用数の関係から民放が入り込むことはしばらくの間難しいと思われます。コンテンツは・・・・それなりに準備は始めています。生放送への対応も可能な状態です。

ここまでが今までわかっている事です。

ただ、この状況は逆に言えば「放送開始まで機材面の時間的余裕がほとんどない」状況です。
BS4K・8Kのプラットフォームは共通点が比較的多く、決めなければならないことが多いのですが、
そろそろ仕様関係が確定しているはずです。AQUOS 8Kも発売になり、どうやらチューナーも近日中に出る予測も出始めていますので、そろそろ動きが出始めるのではないかと思います。

さて、ここから先は将来の予測(アップデート版)となります。

まず、8Kの接続・・・

Hdmi21



現段階ではHDMI2.1で確定です。時間がありませんので。

HDMI2.1は8K対応・ダイナミックHDRなどの機能に対応しています。
問題は伝送速度とケーブル長ですが・・・。転送レートは48gbpsなので、現実的な転送レートはフル解像度8Kで 60P 4:2:0 10bit(DSC圧縮)になるかと思います。(現状では4:2:0 12bitは厳しいと思います。) プロダクションレベルでは12G Ultra-SDIになるかと思います。

この状況はテレビの場合は問題はないのですが、プロジェクターの場合はまだ何とも言えない状況です。HDMI2.1の長さは2m以内と言われており、プロジェクターは蚊帳の外です。

(イコライザー入りのメタルケーブル、18Gbps対応の光ケーブルは8K時には更新が必要です)

現在、光HDMIのメーカーにも確認はしていますが、現状では様子を見ているのが実情です。

次に受像機ですが

現時点では液晶テレビとしてSONYとSHARPから商品が出ております。(2020.2.7更新)

Imgsec0201_2

So02_s_3

【横浜店】SONY 8KテレビBRAVIA KJ-85Z9H情報公開です!

https://blog.avac.co.jp/yokohama/2020/02/sony-8kbravia-k-92b0.html

また、「OLEDは8Kにならないのか?」と言うご質問が多いのですが、パネルは8Kの物が発売されており、別チューナーで対応する旨の記載があります。

LG OLED8K OLED88Z9PJA

Tvsignatureoledz901introdesktop

https://www.lg.com/jp/tv/lg-OLED88Z9PJA

設置にはそれなりに条件がございます。下記のブログをご参照ください。

【横浜店】 LG 88インチ8K有機EL OLED88Z9PJAについて(2019.11.10追記)

https://blog.avac.co.jp/yokohama/2019/09/post-add6.html

Dlavs4800_prod_l

プロジェクターについてはいわゆる「ウルトラハイエンド」の機種はほんの少しだけ可能性があります。業務用ではすでにJVCやアストロデザイン(デルタ電子製のこちらは3DLP)から出ていますが、民生機はDLA-Z1ベースのE-SHIFT8Kも可能性がある(業務用はおそらく今年出てきます。)というところでしょうか。インターフェイスの問題や値段も大変なことになりそうですし、こちらもまだ何とも・・・。現時点ではSXRDなどのリアル8Kパネルはさらにその先になります。

最後に音声ですが

実際に考えた段階では、これが現時点で一番の問題かもしれません。
厳密に22.2CHをやろうとすれば、仮に現在の民生機で強引に組んでみた場合
サウンドスクリーンで22.2CH、現実的なテレビで21.2CHとなります。

Shv222

今回私が頂いたお話は既設のお部屋、元から存在するスピーカーシステムとかち合わない前提です。

こうなると同じスピーカーで揃える、置き・スタンド・埋め込みへの適応範囲の広さから考えられるのは、CabasseのEOLE3、またはCambridge Audio MINX,ANTHNYGARO  マイクロサテライト/ADIVAぐらいかと思います。

また、全部露出ですが、ECLIPCE TDシリーズを使えば、ベースの音色は同じでフロントとそれ以外の大きさを分けられますのでこちらもよろしいかと思います。あとのスピーカーは場所を取り過ぎてしまい、お部屋がスピーカーだらけになってしまいます。

但し、全くの新規で壁面埋め込みスピーカーの組み合わせで専用室を設けることも現実的には可能かと思います。埋め込みの場合、B&W,KEF,JBL.ELACなどかなりの幅で選ぶことが可能です。

あまり現実的ではありませんが、30畳以上のお部屋や専用地下室でしたらサウンドスクリーンでJBLProをスクリーン裏に埋め込むなどで実質映画館ベースの組み合わせも可能です。

最初の前提で、設置位置をざっと計算します。(22.2CHサウンドスクリーンの場合)

222ch

EOLE3で組んだ場合は下記の通りとなります。

上の配置図を参考にしてください。

上層9本

TpFL TpFC TpFR EOLE3壁掛け固定
TpSiL TpC TpSiR:EOLE3ICAD
TpBL TpBC TpBR :EOLE3壁掛け固定

中層10本

FLc FC FRc :EOLE3スタンド
FL FR :EOLE3スタンド
SiL SiR :EOLE3スタンド

BL BC BR EOLE3スタンド又は壁掛け

下層3本

BtFL BtFC BtFR EOLE3

LFE1と2

Eclipce・MINXで組んだ場合はトップがすべて露出になります。

アンプ 9.2CHクラス 3台(将来的には11.2または13.2CH 2台)
(HDMIからのLPCM8ch+LFE受けが可能な物:またはアナログマルチ入力可能な物)
LFE1・2 サブウーファー 2台
Cabasse EOLE3が22台(通常設置3台、EOLE3ICAD9台、スタンド10台)
(21.2CHの場合FCが無くなりFLc FRcが床置きになります。)
となります。

ただ、ここからが問題で

現状のSHARP 8Kチューナーは音声出力はHDMI3本、8ch×3で出力されていますので
仮にAVアンプを用意した場合、9.2CHクラスが3台必要になります。
そして、現行のチューナーは出力チャンネルが5.1CH以上のシステムと互換がありません。

(2018.1.12追記:今後出てくる8KチューナーはおそらくHDMI2.1+eARCで最大32CHが一本出しができるかと思います。ただ、22ch受け止められるアンプがほとんどないですね・・・。現時点では超高級AVプリアンプか、アナログ変換を掛けて2台か、3台のアンプになるかと思います。問題点は変わらない状況です。)

(※ITU-R BS.2051-0の規格に沿っています。)
こうなると、3台のアンプの内2台は22.2CH(21.2CH)以外では使用しないことになります。(11chアンプ2台でチューナー側からチャンネル割り振りを変更する事ができればもうちょっと現実的なんですが。)また、現時点では音場調整は感覚または測定による手動です。

ここまでの情報から実際に配線を想定してみると「机上では」8Kシアターは制作可能です。

仮想の単純計算でLC-70X500と発売予定の8K/4Kチューナーを入れて考えた場合・・・インストール費・工事費込みで500万円以上になります。
ただ、正式インストール・工事費は・・・・正直実際にお話が出るまで分かりません。

また配線・配管の問題から、点検口などで天井レベルで弄ることが出来、かつ今までのDolbyAtoms/DTS:X環境とは別に構成する前提で考え、切替機前提で何とか既存の5.0CH分のスピーカーの位置として互換がとれるかどうかであり、

現実的には、オール新設以外、22.2CH、21.2CH構成は難しいんじゃないかと思います。しかも、出来たとしても通常は5.0ch・・・。アナログマルチ入力でもうちょっと。

ただ、これも今後の話ですが、
現在ITU-R BS.2051-0
(Broadcasting service (sound)Advanced sound system for programme production)の規定の中には
Loudspeaker layouts for advanced sound systemと言う項目があり、

SoundSystemとして
Loudspeaker configuration for Sound system H (9+10+3)
Loudspeaker configuration for Sound system G (4+9+0)
Loudspeaker configuration for Sound system F (3+7+0)
Loudspeaker configuration for Sound system B (0+5+0)

が存在します。Hのシステムはそのまま22.2CHですが、Gのシステムは設置位置としては7.1.4CHにフロント追加2つの13.2ch、Fのシステムはフロントハイト+センターハイト(これは特殊です。Auro3Dなど。)と言うものが存在します。13.2Chのアンプが出てくれば(Auro13や11chのフロントBi-amp対応がメインかと思いますが)フルではありませんが対応は出来そうです。

(2018.1.12追記:e-ARC対応の13CHアンプであればHDMI2.1 1本のダウンミックスで何とかなるかもしれません。DENONのMODEL Xとか・・・。)

この規定日付は2014/02であり、今後変わってくる可能性は十分あり得ますが、Gのシステムが一番現実的なように見えます。通常のAVアンプでは「G」システムをベースにさらにFC・FLc ・FRcをBCにミキシングして7.1.4CH、後は通常のダウンミックスで何とかと言うところでしょうか。実際の落し所としてはこの辺なのかなという印象です。

ともあれ、8Kの現状はこんなところです。もう1年を切ってしまい、先程のフォーマットも含め何が変わるかわかりませんが、ご新築の場合、現実への落とし込みを考え始めてもいい段階に入ったような気がします。現状ではご相談と言うのは気が早い気もしますが、お話は伺えるかと思います。

最後にこれも大きな問題のCASについてですが、概ねはっきりしているのですが、まだ確定的なことが言えない状況です・・・。
最近この「A-CAS」について書いている記事がありましたのでリンクを貼ります。

http://toyokeizai.net/articles/-/181314

今のところ2019年までは「外部基盤方式」という名前のカードになりそうだというところまでは確定です。リンクの記事内容は見た方それぞれでご判断いただきたいのですが、個人的には、機材の修理費用が万単位になるなどデメリットが多すぎますし、まして8Kを持ち出すという発想自体がとてもナンセンスに思えます・・・。

何にしても、この話はもっと公共の場に持ち出すことは大事かなと言う気がします。

なお、現在のチューナーは試験放送の為スクランブルが掛かっておらず、CASに対応していません。2018年12月以降は使用できないというのはこのためです。

ともあれ、金額の問題・機材・工事の問題をお読みいただいても「それでもやりたい!」と言うお客様はご相談ください。未確定が多すぎて時間は頂くと思いますが・・・。

なお、お問い合わせはメール・お電話でも可能です。

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https://www.avac.co.jp/contents/yokohama_inquiry.html

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