【大阪梅田店】LINN DSMイベント報告第二弾!!
今月のフリオ・セサール・チャベス・ジュニア対セルヒオ・マルチネスが楽しみな渡部です(ボクシングに少しでも興味のある方は今年一番の対決を見逃さないでください)。
前回のブログに引き続きましてLINN DSMのイベント『LINN DSM Seriesによる高品位なシアターの世界』の報告を行います。
次の比較試聴は、AKURATE DSMとSC-LX85のプリアンプ部の聴き比べです。
BDP-95からHDMIケーブルでAKURATE DSMとSC-LX85それぞれに接続し、それぞれのプリアウトからAKURATE 2200/1にRCAケーブルで接続します(繋ぎ替え)。
①BDP-95⇒SC-LX85⇒AKURATE 2200/1
②BDP-95⇒AKURATE DSM⇒AKURATE 2200/1
音源は先ほどと同じヘイリー・ロレンのCDを使いました。
SC-LX85のモードは『ピュアダイレクト』にし、イコライザー等の回路はスルーしています。
SC-LX85のプリアウトの音はAVアンプの中でも質の高い部類に入ると思います。32bitDACを使っているメリットを感じさせる解像度が高く透明感のある音です。PLLジッターリダクション回路等の高音質技術も効いています。
それに対しAKURATE DSMの音は、もうひとまわり響きが乗る感じで、SC-LX85では気が付かない微小な響きが聴こえ、音のリアリティーと臨場感が増します。綺麗で品のある響きは、まさしくLINNの製品であることを証明しています。
そしていよいよマルチチャンネルの比較試聴に入ります。
試聴に入る前に設定のコツや注意点を書かせていただきます。
まず、SC-LX85単体で自動音場補正MCACCによる調整を行いますが、その場合周波数特性と位相をフロントスピーカーに合わせる『フロントアライン』モードで行います。
AKURATE DSMと組み合わせる場合、L/Rの音は補正の加わらない音ですので、SC-LX85でもL/Rを補正しないモードで調整する方が正しい音になります。
また、同じ理由でサラウンドモードはピュアダイレクト系を使った方が良いと思います。
もちろんAKURATE DSM側の設定も必要ですが、そのあたりはこちらでも書いてありますので割愛させていただきます。
前置きが長くなりますが比較試聴のシステムを簡単に紹介します。
比較するのは次の2パターンです。
①BDP-95⇒SC-LX85⇒7.1chスピーカーシステム
②BDP-95⇒DSM⇒AKURATE 2200/1⇒L/Rスピーカー
⇒SC-LX85⇒C/SL/SR/SBL/SBRスピーカー
さらに①の場合はBDP-95のHDMI出力設定をビットストリーム(そのままのデジタル信号で出力)にし、②の場合はPCM変換にするという徹底ぶりです。
たしかにこの方が比較としてはフェアです。
前回紹介した『2-stage clock recovery process』と『LVDS(Low Voltage Differential Signalling)』は、DSMからAVアンプに受け渡されるL/Rチャンネル以外の信号にも働きますので、サラウンドのトータルクオリティーがどれだけ向上するかが見所(聴き所?)です。
最初は2Lのハイレゾディスクとブルーレイで、クラシックを使った比較を行いました。
共に収録フォーマットはリニアPCMということで、BDP-95のHDMI出力設定はビットストリームです。麻倉さんによれば、リニアPCM収録の場合、リニアPCM変換に設定せず敢えてビットストリームにした方が音が良いとのことです(さすが)。
クラシックでは、ピアノの音がまったく違います。AKURATE DSMを通すことで高級なピアノに変わったような響きの美しさとリアリティーが出てきます。ストリングスやブラスの音も違いが分かりやすいです。
おなじみ『クリス・ボッティ・イン・ボストン』では、ヨー・ヨー・マによるCINEMA PARADISOを聴きました。
トランペットとチェロは最も違いが分かる組み合わせです。これぞハイレゾと思わせるさまざまな音色が、AKURATE DSMによりさらに豊かになって再現されます。本当に同じ楽器か?と思ってしまう程です。
今回の試聴ソフト選びは、定番を多く使うというのがコンセプトです。馴染みのソフトの方が違いを把握しやすいという麻倉さんの配慮です。
ということで次もお馴染みの『オペラ座の怪人』からクリスティーヌの歌のシーンです。
ステージに切り替わる際の空間が一気に広がる感じは、やはりAKURATE DSMの方が良く出ていました。
後半のファントムが歌うシーンでは、私の位置がサラウンドの左チャンネルの傍でしたが、サラウンドスピーカーから出る声のリアリティーが一味違いました。
AKURATE DSMの方は、音が大きいわけでは無いですが、はっきりサラウンド側の声が認識できます。
なんか心霊写真みたいになっていますが、『バーレスク』ではクリスティーナ・アギレラ演じる主人公が始めてステージで歌うシーンを試聴しました。
前半の、悪いPAを通した酷い音と後半のアカペラによる広がり感のある音の差が、AKURATE DSMではより明確に表現できていたと思います。
音楽物が続いたので定番中の定番『スター・ウォーズ エピソード3』から、オープニングタイトル~コルサント上空戦のシーンを見ました。
メインテーマが鳴った瞬間に違いが分かります。先ほど言ったようにAKURATE DSMの方は感動度が違います。これから始まる物語に胸が高鳴ります(何度も見ましたが)。
戦闘シーンではSC-LX85に軍配が上がると思っていましたが、AKURATE DSMは決して綺麗な音だけが得意なわけではありません。ドンパチ系の音も迫力を損なわず、無線の声などの細かなニュアンスもリアルです。
麻倉さんイベントではお馴染みNHKハイビジョン録画の松田聖子さんの『赤いスイートピー』ももちろん出てきます。
非常に圧縮率が高く音声クオリティーは厳しいAACですが、AKURATE DSMにより蘇ります。CDと同じレベルとは言いませんが、過去いろいろあったAAC音質向上技術の中ではダントツに一番でしょう。
今回あまり関係ありませんが、VPL-VW1000ESによる4Kアップコンのハイビジョン放送の画質アップも、かなり凄いものがありました。
<イベントを終えて> ~本音と裏話~
前日のイベント準備では、AKURATE DSMの設定で、DSMとAVアンプの音のズレを補正する『レーテンシー』の設定に時間を掛けましたが、AKURATE DSMを通した時の方がセンタースピーカーの定位が断然良いと麻倉さんにもおっしゃっていただいたので、苦労した甲斐がありました。
最初のアナログ・同軸デジタル・HDMIの3種類の聴き比べでは、HDMIの音が一番悪いなんて結果にならないかと心配しましたが、こちらの思惑どおりの結果になってホッとしました。
マルチチャンネル比較で、SC-LX85の時はBDP-95のHDMI出力設定をビットストリームにすると言われたときは、正直ちゃんとオペレートできるか不安になると同時に、そこまで真摯にイベント内容を考える麻倉さんに関心しました。
DSMの発売前にメーカーからそのコンセプトは聞いていましたが、オーディオメーカーが軽くHDMIに手を出したら痛い目みますよ、なんて生意気にも思っていました。こんな複雑な処理をまともにこなせるとは俄かには信じられなかったからです。ところが、いざ実機を触ってみると、細かなところまで設定項目があり、さらにその音の良さに驚きました。
まだLINNのDSMを聴いたことのない方には、ピュアオーディオ畑の海外メーカーのシステムが国産AVアンプと組み合わさって、まとまりのある音にならないんじゃないかと思う方もいらっしゃるかもしれません。私もイベントまでは、SC-LX85とAKURATE DSMでちゃんとバランスの良い音になるかと若干心配でした。
でも、SC-LX85とAKURATE DSMを組み合わせた方が非常に音がまとまって聴こえます。このことは今回のイベントを通じて改めて実感しました。前述のような決まり事を守る必要はありますが、最先端で最高峰のサラウンドを構築することがLINN DSM Seriesでは可能です。
大阪梅田店をはじめアバック各店にはDSMの展示がありますので、是非一度この音を聴いてみてください。
ちなみに同様のイベントが9月15日(土)秋葉原本店、9月22日(土)横浜店、9月29日(土)新宿店で開催します。
詳しくはこちらまで
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★アバック「夏市」開催中!! ~9月7日(金)まで
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