【大阪梅田店】『デジタル時代のホームシアター近代史:第8章 Blu-rayの発展とHD DVDの終焉』
WATCHMENの前日譚「BEFORE WATCHMEN」が楽しみな渡部です。
【第7章】は、画質・音質が革命的に進化した2007年をお送りしましたが、【第8章】では、Blu-rayとHD DVDのメディア競争に終止符が打たれる2008年をお届けします。
2007年末から、各メーカーのハイエンドAVアンプが、時期を待っていたかのように続々発売されましたが、その流れは2008年になっても続きます。
2007年末に発売されたAVC-A1HDに続き、かねてから噂されていたDENONの超弩級セパレートAVアンプAVP-A1HDとPOA-A1HDが発売されます。
DENON AVP-A1HD
DENON POA-A1HD
この2台は間違いなくDENONのAVアンプ史上頂点に立つモデルです。
プリアンプのAVP-A1HDは、独自のビット拡張とアップサンプリング技術Advanced AL24 Multi channelを新搭載し、伝統の回路構成D.D.S.C.(Dynamic Discrete Surround Circit)も次世代HDフォーマット対応のD.D.S.C.-HDに進化するなど、今までのデノンAVアンプの集大成と言えます。
パワーアンプPOA-A1HDは、300W(4Ω)×10ch搭載で、5chのBTLやバイアンプなど様々なアサインも可能なモンスターアンプです。
目新しさは少ないですが、積み重ねてきた技術の凄みがあります。
やや後に登場するPioneerのAVアンプSC-LX90は、対照的に見た目も中身も新しさに溢れた1台です。
Pioneer SC-LX90
コードネーム“SUSANO(スサノオ)”と名づけられた本機は、現行のSC-LX87にも受け継がれる「ダイレクトエナジーHDアンプ」を採用した初めてのAVアンプです。
JEFF ROWLANDでもおなじみのICEpower社と共同開発されたclassDアンプで、10ch同時出力1400W(8Ω)を誇ります。
Pioneerは、この多チャンネル同時出力を重視し、現行のAVアンプのカタログにも必ず載せていますので、お持ちの方は確認してみてください。
さらに、スピーカーのユニット(トゥイーター、ミッドレンジ、ウーハー)ごとの時間的なズレ(群遅延)を補正する「フルバンド・フェイズコントロール」も初搭載されます。
これは、以降のPioneer製AVアンプの上級機には必須の機能になり、どんどん進化・発展していきます。
圧倒的な駆動力と、クリアーでキレのある音は、高音質を求めるAVファンの絶大的な支持を受けました。
余談ですが、LDのAC-3 RF入力を備えた最後のAVアンプだったと思います。
ディスプレイでは、KUROの第2世代機でモニタータイプのKRP-600Mが先行して発売されます。
Pioneer KRP-600M
コントラストに関しては、予備放電の見直しや「高純度クリスタル層」のリファインにより、前モデルの1/5の黒輝度を実現しました。
実質10万:1にもなるコントラスト比を敢えて公表しないところにも、カタログスペックではない実際の画で勝負しているという開発者の姿勢がうかがえます。
これだけ性能が上がったにもかかわらず、画作りはよりナチュラルになり、マスターモニターと呼ぶにふさわしいモデルになりました。
従来の60インチモデルPDP-6010HDでは、50インチモデルと比較すると近接視聴で処理の粗さが気になる所もありましたが、KRP-600Mではまったく粗さが気にならない品位の高い映像に進化しました。
さらに、SC-LX90と組み合わせるべく先進的な機能満載のハイエンドブルーレイプレーヤーBDP-LX91も発売されます。
Pioneer BDP-LX91
未だこのモデル以外に対応モデルの無いDeepColorの最高スペック48bit出力に、Pioneer開発陣の並々ならぬ思いを感じます。
アナログ音声出力の音質は、未だにブルーレイプレーヤーの中ではトップクラスです。
個人的には、このモデルで初めて可能になったDVDや録画したハイビジョン映画コンテンツの1080/24p変換出力が印象に残ります。
高級DVDプレーヤーでも出来なかった1080/24p変換出力はDVDの新たな魅力を引き出し、未だ搭載機の少ない録画コンテンツの1080/24p変換出力だけでもこのモデルを使う価値があります。
今やスタンダードになった、HDMIの映像/音声セパレート出力もこのモデルから始まりました。
中古で見つけたら是非ゲットしてみてください。
DENONからもSACDやDVDオーディオ再生に対応した初のブルーレイユニバーサルプレーヤーDVD-A1UDが発売されます。
DENON DVD-A1UD
映像は当時最高峰と言われたシリコンオプティクス社の「REALTA」(アナログ出力はアンカーベイ製)で武装し、音声にはDENON製対応AVアンプとクロックを共有しジッターレス伝送を可能にするデノンリンク4thを搭載するという、最高峰プレーヤーにふさわしい仕様です。
ピュアオーディオ機で定評のあるAdvanced S.V.H. Mechanismをベースにチューニングされたドライブ部と、32bitに拡張されたデータ補完アルゴリズム技術Advanced AL32 Processingが、オーディオプレーヤーとしてのクオリティーを支えます。
BDP-LX91同様、HDMIの映像/音声セパレート出力と1080/24p変換出力を備えます。
現在のモデルと比べると、読み込みの遅さが唯一残念なところです。
ブルーレイプレーヤーの発売を待望されたSONYより「ES」の名を冠したBDP-S5000ESが発売されます。
SONY BDP-S5000ES
自社の映像回路「CREAS(クリアス)」が使えるのはレコーダーを開発しているSONYの強みです。
プレーヤー用にチューニングされた「CREAS(クリアス)」が生み出す映像は、階調が滑らかでデジタル臭さのない高品位なもので、「HDリアリティーエンハンサー」の優秀かつ独創的な「エンハンス」「スムージング」「フィルムグレインリデューサー」などの調整項目は、画作りの楽しみを存分に味わわせてくれます。
レコーダーと違い、アナログ映像出力に「CREAS(クリアス)」が働くのもプレーヤーのアドバンテージです。
それだけでなく、アナログデバイセス社製14bit-LSI「ADV7344」を採用した297MHz/14bit映像DACと、真鍮削り出し金メッキコンポーネント端子など、3管ユーザーなどにも魅力的な仕様でした。
音声でも、HDMI出力のジッターを少なくする「プレシジョン・クロック・コンディショナー」と、音声DAC直前のジッターを排除する「ジッターエリミネーション回路」により、デジタル・アナログ両出力の高音質を実現させます。
唯一、HDMI出力が1系統のみというのが残念なところです。
SONYからは、ブルーレイプレーヤーのエントリーモデルBDP-S350も発売され、ブルーレイプレーヤーの低価格化も始まります。
SONY BDP-S350
この年から、各メーカーのプロジェクターの発売タイミングが、ほぼ年末に揃ってきます。
先陣を切って発売されたのは、MITSUBISHIのフルHDプロジェクターLVP-HC7000です。
MITSUBISHI LVP-HC7000
この早い登場は、敢えて選択したD6パネルによる開発の早さと使いこなしの慣熟によるものでしょう。
最新デバイスの性能よりも、熟成と完成度をMITSUBISHIは選択しました。
それは、70000:1というコントラスト比とトップクラスのレスポンスを誇る「ダイアモンドブラックアイリス」に結実します。
また、映像回路「Reon-VX」も、従来あった2-3プルダウンの規則性が守られない放送コンテンツの処理エラーに対応した、MITUBISHI独自のシネマモード「ビデオ」を新搭載し進化しました。
SONYはSXRDの更なる低価格モデルVPL-HW10を発売しエントリークラスに参入します。
SONY VPL-HW10
上級機という位置づけだったSXRDがエントリークラスに登場し、透過型液晶勢を脅かす存在になります。
この筐体が現行のVPL-HW50ESまで引き継がれることになります。
もちろん上級機のVPL-VW80の存在も忘れることは出来ません。
SONY VPL-VW80
数々のプロ用映像機材を誕生させた“ソニー厚木テクノロジーセンター”初の民生用プロジェクターです。
SXRDパネルも上級機VPL-VW200から進化し、画素間スペースは0.35μm(マイクロメートル)から0.25μmに、パネルの応答速度も2.5msecから2.0msecに向上しました。
コントラスト比も60000:1と向上させVictorを猛追し、もちろん120Hz倍速駆動対応です。
対する透過型液晶のEPSON製D7/C²FINEパネルも、いよいよ120Hz倍速駆動対応になります。
本家EPSONのEH-TW4000は、前モデルから搭載のDEEPBLACKを進化させ75000:1のコントラスト比を実現します。
EPSON EH-TW4000
従来の楕円偏光の低減に加え、パネルへの入射角を高度にコントロールし光路を最適化することで実現した驚異のコントラストは、透過型液晶の可能性と意地を感じさせます。
120Hz倍速駆動対応になったことで、「フレーム補間」技術も新たに搭載されました。
また、新搭載の「Reon-VX」で映像処理のクオリティーが上がっただけでなく、2-3プルダウンされた1080/60iの映像を4-4プルダウンによりフレーム等倍出力するという新たな機能も追加されました。
同じく新D7/C²FINEパネルを搭載するPanasonicのTH-AE3000とSANYOのLP-Z3000は、残念ながら両メーカーの民生用国内ホームシアタープロジェクター最後のモデルとなってしまいました。
Panasonic TH-AE3000
個人的にはTH-AE3000の「ダイナミックアイリス」とフレーム補間技術「フレームクリエーション」は、他のプロジェクターと比較しても、この時点でNO.1の性能だと思います。
パナソニック独自の技術も多く、透過型液晶の歴史に名を残す名機だと思いますが、ライバル機に較べると価格の割高感があったかもしれません。
SANYO LP-Z3000
LP-Z3000も、1年の出遅れを感じさせない完成度でしたが、ライバル機を凌駕するアピールポイントが見出せなかった印象でした。
前年話題をさらったVictorは、新型プロジェクターDLA-HD350とDLA-HD750の2台を発売します。
Victor DLA-HD350W
従来の筐体では奥行きの問題で光学系をL字型に組む必要があり、ミラー板でランプの光を屈曲させる構造でしたが、新筐体ではミラー板を排除したストレート型に変更され、光のロスを大幅に低減しました。
DLA-HD100でやや低下した白ピークが、DLA-HD1を超えるレベルにまで向上しました。
Victor DLA-HD750
DLA-HD750では、DLA-HD100を超える黒とDLA-HD1よりも力強い白を両立し、ネイティブコントラストは50000:1に達します。
両機ともに映像プロセッサーをジェナムからReon-VXに変更し、DLA-HD750はカラーマネージメント用に「JEPICO」のチップを別搭載するという贅沢仕様です。
これにより、よりフィルムに近い色再現が可能になり、THXの規格認証を取得した事もDLA-HD750のステイタスを上げることになりました。
前年のVictorプロジェクターの影響で、コントラスト比の数値が飛躍的に向上する他のメーカーに、またしても桁違いのネイティブコントラストを見せつけ、D-ILAの地位はまだまだ揺るぎません。
機能面でも、電動レンズシフトや電動スライドカバーなど現行モデルと同様の仕様になってきます。
【第8章】の2008年は、2月にHD DVDの撤退が東芝から発表され、PioneerのプラズマディスプレイKUROやプロジェクターでもTH-AE3000とLP-Z3000が最後のモデルになってしまうなど、競争に勝ったものしか生き残れない厳しい時代の始まりとも言えます。
【第9章】では、2009年以降を若干ペースアップしてお届けします。
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