【大阪梅田店】JVCプロジェクター徹底視聴会報告!(前編)
最近指先に潤いが無くなり良くコップを落とす渡部です(飲食店の方ご迷惑をお掛けしております)。
16日の行われました「JVCプロジェクター徹底試聴会!」の報告です。
司会は、THX認定ホームシアターデザイナーでISF認定ビデオエンジニアでもある鴻池賢三さんです。
まずはDLA-X70RとDLA-X30を使って4K e-shiftと2Kの比較を行いました。
4Kデジタルカメラ“RED ONE”で撮影された高画質ソフト「ECLIPSE」を使いました。
この解像度では分かりづらいですが、石の質感や画面の奥行き感にかなりの違いがあります。
また、4Kはフォーカスの合っているところはよりクッキリし、合っていないところは綺麗にボケますので、人物が浮き上がって見えます。色の描き分けもDLA-X70Rに分があります。
比較の次は映像キャリブレーション基礎講座です。
映像キャリブレーションと映像調整を同じ物と思っている方もいらっしゃると思いますが、この2つは似て非なるものです。
映像調整が視聴環境や好みに合わせて調整する物であるのに対し、映像キャリブレーションは制作規格・基準からのズレを校正するものです。
特に映画などは、監督の意図によって癖のある色使いや画作りのものが少なくありません。
その映像に合わせて映像調整を行っても、本来の制作者の意図する画になっているか分からないばかりか、他の映画の時に全然バランスがおかしくなってしまいます。
ブルーレイソフトやデジタル放送などは、制作者や再生機ごとの映像のバラつきを無くす為にBT.709等の基準に基づいて制作されます。
その基準にディスプレイやプロジェクターを合わせるのが映像キャリブレーションです。映像調整の為の土台作りといっても良いと思います。
この分野では日本は後進国です。
海外ではISFなどによる育成/認定が盛んですし、キャリブレーションを行うプロフェッショナルも存在します。
映像トラッキングは具体的に何を行うかといいますと、「色温度・グレースケールトラッキング」と「色域の調整」です。
と言ってもなんの事だか分からないと思いますので順番に解説します。
色温度は白の色味の事です。6500K(ケルビン)等で表現されます。
基準の色温度に合わせて白から黒までの各階調を一定にするのがグレースケールトラッキングです。
赤・青・緑のガンマのバラつきを無くし各階調に余計な色が乗らないようにします。
そうすると、余計な色のりの無い自然なグラデーションの映像になります。
ガンマもきちんと基準に合った調整を行うと白飛び黒潰れの無い映像になります。
色域もBT.709の基準があります。下の図の三角形の部分です。
今のディスプレイやプロジェクターなどには、もっと広い色域をカバーしている物もありますが、ブルーレイ等に収録されている色はこのBT.709の三角形の中の色までですので、この三角形にRGBCMY(赤、緑、青、シアン、マゼンダ、黄)を合わせるのが色域調整です。
このキャリブレーションを行うことで、ブルーレイやデジタル放送が制作される時の基準に、プロジェクターやディスプレイを合わせることができます。
ここまでで映像キャリブレーションというものが何なのかが大体ご理解いただけたでしょうか?
ここからDLA-X70Rの実際のオートキャリブレーションになるのですが、長くなってきましたので、つづきは次回のブログまでお楽しみに