キクチ科学の新しいスクリーン生地「グレースマット100」はかなり良いですよ!
グランツーリスモ5で国際B級までゴールドトロフィーを取った渡部です(付属のコントローラーなので結構大変でした)。
12月4日にグレースマット100を使ったキクチ科学の新スクリーン「Recodis」のイベントがありましたので、簡単に紹介します。
このスクリーンの開発経緯は、キクチ科学内にいる映画館のスクリーンなどを塗る職人さんに、スチュワートに近い、リファレンスとなりえるスクリーンの試作を依頼したところから始まりました。その後何枚も試作を作り、今の仕様にたどり着いたそうです。ベースは「ホワイトマットアドバンス」で、そこに手作業で塗装していきます。ピークゲインは約1.0です(ホワイトマットアドバンスは0.85)。
それではイベントに沿って、実際の映像を使ってインプレッションしたいと思います。
プロジェクターには、このスクリーンの開発でリファレンスに使った、ビクターのDLA-HD950を使います。
まずは、DLA-HD950内蔵のカラーパターンで、スチュワートの代表的なスクリーンと比較します。
4分割パネルの左上が「スノーマット」、左下が「マリブ」、右上が「ウルトラマット」、右下が「スタジオテック130(HD130)G3」です。
「赤」
「スノーマット」に特性が近いのが確認できます。右上の「ウルトラマット」は、少しギラついて見え、「マリブ」も「HD130」もやや朱色に寄ります。
「緑」
ここでも「スノーマット」に近い色が確認できます。ゲインが変わると色もこれだけ変わりますので、高ければ良いというものではないと実感します。
じつは「青」もあったのですが、間違ってデータを消してしまいました。
次は、ベースになった「ホワイトマットアドバンス」と比較してみます。
真ん中の小さい四角がホワイトマットアドバンスです。
白のピークが伸びるのはもちろん、各色曇りが取れて鮮やかに見えます。ホワイトマットアドバンスは全体的に青が乗りますので、青が濃くなっているのが分かります。黒も浮くような所もなく、逆に青が抜けるので黒の純度が上がる感じがします。
実際の映画「ムーランルージュ」で、ホワイトマットアドバンスと比較します。
左が「グレースマット100」で、カメラで撮ると実際の色味と変わってしまいますが、青味が取れて血色の良い肌になります。白ピークが伸び陰影にメリハリが付くので、立体感もアップして見えます。
「THE FALL(落下の王国)」では赤を中心に見てみます。
朱色に寄りすぎず、鮮やかさが増します。原色を使った衣装も発色が鮮やかです。
「スピードレーサー」も原色が豊富に使用されている映画です。
車体の白と赤、空の青と雲の白を見れば、違いは一目瞭然です。皆さんはどちらが好みでしょうか。
最後は菅原店長が涙した「トイストーリー3」の、圧巻の映像で締めくくりました。
CG独特のテカリ感、発色の鮮やかさ、奥まで細かく描写された幼稚園の奥行き感など、いままでの国産スクリーンとは、明らかに印象が違います。
120インチ超のスクリーンでは、スチュワートでしかなかなか出せない被写体の実在感が出て、人物などが背景から浮き上がって見えます。
この「Recodis」は、既に出荷も開始されています。今のところ100インチから150インチまでの電動と、100インチから120インチまでのパネルタイプでの販売になりますが、80インチや、上黒延長などの特注にも対応してもらえるそうです。納期は約1ヶ月とのことですが、ゆくゆくは100インチから120インチまでの生地を、在庫する予定だそうです。
イベントでもかなり好評でしたので、スクリーンのグレードアップをお考えの方は、候補に入れてみてはいかがでしょうか。
定価はホワイトマットアドバンスの1.25倍ですので、かなり良心的です。
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