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2010年7月11日 (日)

「夏直前! 熱い高音質ROCKフェスティバル!!」イベント報告<試聴編>

<試聴編>も引き続き渡部が実況します。

試聴一番手はElton JohnのアルバムGoodbye yellow brick roadから「Funaral for a friend~Love lies bleeding」をお送りします。通常のCDではなく、96kHz/24bitのWAVデータを収録したDVD-Rを使います。

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1973年発売のアルバムのオープニングナンバーで、6分以上あるインストのFunaral for a friendの冒頭、アナログシンセの厚みと密度感のあるハーモニーに度肝を抜かれます。1973年発売とは思えない鮮度の高い音は、マスターモニターの優秀さと共にハイビット・ハイサンプリングWAVデータのポテンシャルの高さを実感します。

ここでCDを2枚再生します。PerfectWave TransportはWAVのDVD-Rを再生できるという独創的なモデルですが、CDをより高音質に再生するというのも魅力の一つです。リッピングによる正確なデータ抽出と、I²S(HDMI)接続によるクロック制御により可能になります。

最初のCDはLed Zeppelinの名盤Ⅳ(SHM-CD版)から「Black dog」を再生します。

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「天国への階段」とどっちにするか迷いましたが、「天国への階段」はギターソロ前に一部音が割れるような箇所があったので(通常版にはないので、リマスターの失敗か?)、こちらにしました。

CD再生ではPerfectWave DACのサンプリング周波数とデジタルフィルターもいじります。ちなみにこの曲では、デジタルフィルターを、一番ファズトーンが気持ち良いFilter5、録音の古さをカバーする為にサンプリングを88.2kHzに上げます。

この時代のハードロックにしては、割と音の良い方ですが、このシステムで聴くと、冒頭ロバート・プラントのボーカルが綺麗に広がり、ギターも現代のディストーションとは違い、かなりゆるめなファズトーンですが、粒立ち良く心地いい響きを聴かせてくれます。

CDの2枚目は、よくブログでも紹介しているJourneyの「When you love a woman」。オリジナルはTrial by fire収録です。こちらはBlue-spec CD版です。

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Filter4と176.4kHzにし、ボーカルが綺麗に広がりつつ、若干前に出てくるようにします。この曲は、スティーブ・ペリーのボーカルがややヒステリックにきつくなりやすいですが、高域成分を、しなやかに綺麗に四方に広げてくれます。ピアノの低音も深く安定した響きで、腹にズシリと響きます。

ここからWAVに戻って、QueenのGame収録の「Another one bits the dust」を再生。96kHz/24bit収録です。

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「ダン、ダン、ダン、 、ダダダン、ダン、ダダン」というお馴染みのベースとバスドラムが、張りのあるパンチの効いた音を聴かせます。もちろん鮮度と明瞭度は相変わらず高いですが、このエネルギー感もハイビット・ハイサンプリングWAVの魅力です。

ドンドン行きまして、次はYesのFragile(こわれもの)から「Roundabout」を再生。こちらも96kHz/24bitです。

Fragile

Yesは、このアルバムと、「危機」、ライブアルバム「イエスソングス」を、レコードの針が擦り切れるならぬ、ピックアップがへたるまで聴きましたが、こんな音では聴いたことがありません。冒頭の、スティーブ・ハウの爪弾くアコースティックギターの、空間に浮かび上がる実像感は凄まじいです。ディストーションベースの元祖(ほんとか?)クリス・スクワイアのベースも、ゴリゴリとはっきり聴こえ、切れ味鋭く腹を抉ります。

イーグルスのHotel Californiaからは、タイトルトラックは飽きてしまったので、「Pretty maids all in a row」をリクエスト。こちらはなんと192kHz/24bitです。

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ジョー・ウォルシュ作のこの曲も含め、このアルバムはやや低音が大きく、楽器のレベルが高めに録音されてますので、ボーカルがスポイルされてしまいがちですが、きちんとボーカルが分離して明瞭に聴こえます。

70年代が続いてしまったので、ここで2001年発売のエリック・クラプトンのアルバムReptileから「Got you on my mind」を再生。

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この曲は最近ライブでも良く演奏されるお馴染みの曲で、ゆったりしたグルーヴのブルースですが、ハイレゾWAVデータになると、音は鮮烈なライブ感に溢れます。新しい録音なので、88.2kHz/24bit収録でもかなり高音質で、シンプルなバンド編成なのに音の密度が凄く、各パートの音のセパレーションも良くクリアーです。クラプトンのギターのカッティングも粒立ちが良く、ハスキーな声のかすれ具合も渋いです。

King CrimsonのRED収録の「Fallin' angel」で、CDと96kHz/24bit WAVの音質比較をしました。

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ロバート・フリップとジョン・ウェットン、それにYesを脱退したビル・ブラッフォードによる第2期King Crimsonの曲で、冒頭のシンセサイザーの音が凄まじいですが、クリムゾンにしては意外とシンプルな曲です。

CDでもまあまあインパクトのあるシンセですが、WAVの音は、低音の厚み・張り・音色の豊かさが圧倒的です。音の広がりや楽器のリアリティーもかなり差があり、CDの音は無機的な寂しい音に聴こえてしまいます。

さらに年代は遡り、1971年発売のDoorsのL.A.womanから「Riders in the storm」を再生。88.2kHz/24bit収録です。

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事実上Doors最後のアルバムのラストを飾る曲ですが、1971年録音とは思えない生々しい音で、マスターの保存状態の良さに感動してしまいます。冒頭、曲間、エンディングに流れる、雨と雷のS.E.がリアルで、後のジム・モリソンの行く末を暗示するようで、感慨深い物があります。

いよいよ試聴も架橋に入り、Deep Purpleの名盤Machine headより、名曲「Highway star」の96kHz/24bitを再生。

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ホテルの廊下で録音された事で有名ですが、この頃からパープルのアルバムの音質が上がっていき、各楽器のセパレーションも良くなります。それがメンバー間の関係悪化と関係があるかどうかは分かりませんが、WAVで聴くとさらに音の分離が良くなり、各楽器がクリアーに聴こえます。イアン・ギランのボーカルも、こんなにエコーが掛かっていたことに始めて気づきました。前々作の「In Rock」に比べ、やや淡白に感じた音質も、192kHz/24bitで聴くと、情報量とクリアネスが上がったことにより、生々しさが出て印象・評価が変わってきます。

70年代ハードロックの次は、Metallicaの通称ブラックアルバムより「Nothing else matters」96kHz/24bitを再生。

Meta

個人的にはメタリカで好きな最後のアルバムで、音の良いメタルアルバムの上位に必ず入るアルバムですが、96kHz/24bit版は過去最高音質のメタルです(まったく根拠はありませんが)!!

オープニングのギターアルペジオは、オーディオという範疇で十分語れる音質ですし、ラーズ・ウルリッヒのバスドラムの重々しく深い音は、悲しみさえも表現しているのではないかと思ってしまうほどです。ジェームズ・ヘッドフィールドのボーカルも表現力を増し、静かに激しく慟哭します。後半のギターソロでの盛り上がりは凄まじく、静かなアルペジオによるエンディングを迎える頃には、大作映画を見終わったようなカタルシスを感じます。

ラストはSteely DanのTwo against natureから「Cousin dupree」96kHz/24bitを再生。

Steely20dan2020two20against20nature

分離が良く粒立ちの良い音、切れの良いリズム、タイトな演奏と、優秀録音の典型ですが、メタリカ試聴後の放心状態の私には、それ以上の感想は浮かびませんでした。

ここでイベントは一旦終了になりましたが、お約束のようにアンコールになりました。

「Smoke on the water」から始まり、Jackson Brown、Queenの「Bohemian Rhapsody」、America、Yesの「South Side Of The Sky 」、大ラスの「Hotel California」と、クタクタだけど楽しいイベントが名残惜しく終わりを迎えました。

サンキュー!!

See you next!!

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