エプソン EH-TW4500イベント報告!!<後編>
引き続き渡部です。
後半はいきなりフィルムの話から。
こういう話は以前映画会社に勤めていた倉内さんならではです。映画会社時代はカラータイミングという仕事をなさっていたそうです。これはネガフィルムからポジフィルムを焼くときに、カットごとのカラーバランスをフィルターで補正して、全体の色調を統一する作業だそうです。
フィルムのベースがガラスだったものをセルロイドに変えたのが、ジョージ・イーストマン・コダックさん(だったかな?)だそうです。たぶんコダック社の創業者だと思います。
エジソンが映写機を作り、それまで70mmだったフィルムを半分の35mmにしたそうです。
なぜ映画って24コマなのか?という話も面白かったです。
フィルムの端に音を収録する様になると、それまで16コマ(1フィート)だったフィルムでは、回転が遅くて高い音が出せなかったので、24コマ(1.5フィート)になったそうです。
現在のフィルムの性能は下の写真のとおりです。
実際日本の映画館で上映されているフィルムは、35世代目位のもので、コントラストも800:1位だそうです。家庭用プロジェクターの方が性能で優ってしまっています。
また、それまで映画では真っ黒というものが表現できなかったそうですが、初めて映画で真っ黒を出したのが「ロード・オブ・ザ・リング」だそうです。
だいぶ長くなってしまいましたが、フィルムを知り尽くした倉内さんがプロジェクター最終調整を行うのが、エプソンの他社には無い特徴になっています。
それでは視聴に戻ります。言い忘れましたが、視聴はメーカー推奨の「シアターブラック1」で行っています。
後半最初は「キル・ビル2」の、ユマ・サーマンが棺桶に入れられ砂をかぶせられる真っ暗なシーンです。実はこのシーン、真っ暗だと思っていましたが、2階調位の映像がうっすらと映っていて、これを再生できる黒解像度を持っているのは、ビクターのDLA-HD750とHD350だけでした。
EH-TW4500の開発では、このシーンをきちんと再生することをひとつの目標にしたそうです。その成果がこちらです。
真っ黒 すみません、実際は映っているのですが、デジカメの感度では捉えきれませんでした。でも確かに演技しているのが分かります。
今回は色も徹底的に追い込んでいます。フィルムの色域に近づける為に、従来のR.G.Bの頂点3点での測定を、24点に増やしたそうです。
「ダークシティー」の薄暗いシーンでは、黒く潰れる寸前の微妙な色もしっかり再現していました。それでいて黒には余計な色がのらないという緻密な画作りです。
趣を変えてCS録画の「化粧師」(けわいし)より。
この男女の肌色の違いが難しいそうです。
今回は邦画のデモが多かったですが、EH-TW4500の画作りは邦画と相性が良かったです。影をベッタリのせるよりも、黒側の情報をきちんと出すような画でした。
ここで参加者のリクエストにより、DVDを超解像で見てみました。ソフトは倉内さん持参の「デルタ・グットレム」のビデオクリップです。
これも、被写体深度が極端に浅い映像ですが、超解像を1~3まで交互に切り替えましたが、ボケ感を損なわずキリッとした映像にしてくれます。超解像をオフにすると、やや眠い見慣れたDVDの画になってしまいました。
またエプソンディスクに戻り「おくりびと」を再生。
EH-TW4500の階調表現は、このような邦画の低コントラストで軟調なニュアンスを、うまく表現していました。
最後もエプソンディスクより「.HACK」というゲームソフトのムービーシーン?を、オートアイリスとフレーム補間を入れて再生。
めまぐるしく動き、輝度の変化が激しいハイコントラストな映像ですが、映像処理に破綻を見せることなく再生していました。
イベントを終えての感想ですが、エプソンさん凄いの作ったなと思いました。画の完成度は相変わらずですが、「フレーム補間」のレベルはかなり高いです。それと、なんと言っても「超解像」の凄さです。これは他のプロジェクターには無いアドバンテージです。
もはやこのレベルに透過型液晶の敵は無く、ライバルはソニーとビクターになりました。
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