ソニー「VPL-VW85」「TA-DA5500ES」イベント報告 <視聴編>
最近この2部構成パターンが多くなってきた渡部です。
23日のブログでも紹介したとおり、TA-DA5500ESのデモはかなり面白かったです。
スピーカーの構成は、フロントL/RにパイオニアのS2EX、センターに富士通テンのTD712ZMK2S、サラウンドとサラウンドバックはJBLの4312M2、サブウーハーはビクターのSXDW75という掟破りの組み合わせで、さらにL/Rのスピーカーケーブルを逆相にしています。
これを自動音場補正「アドバンストD.C.A.C」で測定するとこうなります。
L/RがOut Phaseになっているのが確認できます。
最初の「A.P.M」のデモは、RのS2EXとSRの4312M2を使って、ニッキ・パロットのCDを2ch再生するというものです。普通に考えればS2EXが逆相なので、まともな音で鳴るはずがないのですが、「A.P.M」をオンにすると、普通に聴こえるから不思議です。
いよいよマルチチャンネルのデモに入っていきます。
ブルーレイ「ミスター&ミセス スミス」のチャプター3の、ブラット・ピットとアンジェリーナ・ジョリーの踊るシーンのバックで鳴る雷が、後ろから前に移動してくるのですが、「A.P.M」オフでは、まったく音が繋がりません。空間の広がり間も出ず、バラバラな印象です(当たり前ですが)。
「A.P.M」をオンにすると、フワッと空間に統一感が生まれ、雷の移動もスムーズに繋がります。さらに「HD-D.C.S」をオンにすると、より空間が広がり、音に密度感と厚みが生まれます。フロントハイが無いのに、上下の音の表現ができているのが不思議です。
TA-DA5400ESから引き続き搭載している「デジタル・レガート・リニア」は、ドルビーデジタルやデジタル放送のAACなどの圧縮音声を、エンコード時に破損した信号を修正して、オリジナルの信号に戻すという機能です。
このデモには、DVD「ワイルドレンジ」のチャプター14の銃撃シーンを使いました。最近の西部劇らしく重々しく響く銃声が、綺麗に空間に広がる感じは、ブルーレイのロスレスサウンドを聴きなれた耳にも、不足感はありません。
ここまで映像はVPL-HW15で写していましたが、VPL-HW85ほどではないにしても、こちらもコントラストを上げて、進化をしております。
「2001年宇宙の旅」も、白ピークの落ち込みを抑えつつ、宇宙空間の漆黒を表現できるようになって、見た目のコントラスト感が上がっていました。
さあ真打VPL-VW85の登場です。
最初に、Qtecの画質/音質チェック用ブルーレイディスクのトーキョーナイトという映像を使い、シネマ1のネイティブコントラストをデモ。
VPL-VW80でこういう夜景を映すと、どうしても白ピークが落ちてしまい、DLA-HD750のネイティブコントラストにアドバンテージを取られていましたが、VPL-VW85では、固定画素プロジェクター史上最高のハイコントラスト映像を見せてくれます。
同じQtecのディスクに入っている、通過する電車を映したビデオ映像で、新しい「モーションフロー」を見ましたが、フレーム補間のモーションエンハンサー弱・強ともに明確な効果が確認できます。黒映像を挟み残像感を消すフィルムプロジェクションが選べるのも、ソニーならではですが、こちらは、明るさの低下やジャダーの増加がありますので、映画向きだと思いました。
個人的に、今回のモーションエンハンサーの進化は、かなり良いと思います。VPL-VW80までは、スムーズに動いていたのに途中でガタついたり、輪郭がゆがむようなエラーが見受けられ、動きも、人間の生理に合わない過度なスムーズさがあったのですが、VPL-VW85では、ほぼ解消されています。
「オペラ座の怪人」でも、白のピーク感とともに、S字ガンマによる丁寧な陰影の描き方が、ただコントラストを上げただけではない、シネマ1のトータルバランスの良さを証明しています。
もっともインパクトがあったのは、「ウォーリー」のウォーリーとイヴが宇宙を飛び回るシーンでした。
見慣れたシーンですが、これほど鮮度の高い映像は見たことありません。イヴの体のツルッとしたテカリ感や、ウォーリーの体の細部まで抉り出す解像感は、VPL-VW85の独壇場です。
最後は「クリス・ボッティ イン ボストン」で、最新テクノロジー満載の音と映像を満喫して、イベント終了です。
ソニーのVPL-VW85とTA-DA5500ESは、ともにハイテク技術で武装した印象です。
TA-DA5500ESの「A.P.M」はスピーカー選択の今までのセオリーが通用しなくなるくらいで、スピーカー選択の幅が広がります。
VPL-VW85も、ネイティブコントラストの向上を土台に、ダイナミックアイリスの動作を見直し、凄まじいコントラストを出しました。モーションエンハンサーによるフレーム補間の性能は、現行モデルでは一番ではないかと思います。
<前編>も併せてご覧ください。
こんにちは
AVAC通販部熊田君から「5500ES」を購入して4日目、毎日映画を楽しんでおります。
ひとつ「DLL」なんですが、「HD-DCS」をONにすると「DLL」が機能しないのはなぜなんでしょうか?(インジケータが点灯しないですよね)「AFD」でしか「DLL」が効かないとなると、なんか片手落ちのような気がします
それと背面端子を金メッキ処理してないのもいただけませんよねSONYさ~ん>< (CDはアナログ入力が一番)
「5300ES」からの買い替えですが、パワーアンプは確実に進歩してるのがわかりました。買い換えてよかった!!
投稿: ばかおやじ | 2009年10月27日 (火) 08:54
ばかおやじさん投稿ありがとうございます。(この言い方抵抗ありますね)
確かにHD-D.C.SをONにするとD.L.Lが消えますね。
メーカーの回答では、HD-D.C.SやDSPのチップとD.L.Lは共通のチップで処理しているので、サラウンド成分を付加するHD-D.C.Sと、オリジナル信号に戻すD.L.Lでは正反対の処理になるため、両立できないそうです。
でも一緒に動作して欲しいですよね。
投稿: アバック渡部 | 2009年10月28日 (水) 16:18
調べていただいてありがとうございます。
名前は「ばかおやじ」が職場でもニックネームなんでおかまいなく ^ ^!
そうなんですか、やっぱり効かないんですね。そうすると、おやじの場合ほとんど「DLL」使えない感じです、CDは断然アナログダイレクトのほうが高音質だし、音楽DVDのミュージッククリップは48khzリニアPCM2chなんでDLL対象外ですもんね(笑)
あとSONYさんには、早く「HATS」の活かせるBDプレーヤーの発売を願いたいですね、当然ユニバーサルプレーヤーとしてSACDも再生可能にしてほしいところです・・・
投稿: ばかおやじ | 2009年10月28日 (水) 21:37
そうですね
BDZ-EX200が既にHDMIのA/V独立出力をしてしまってますし、中途半端感は否めないですね。
とイベントの時にも、SONYさんに突っ込んでおきました。
投稿: アバック渡部 | 2009年10月29日 (木) 11:04