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2009年10月24日 (土)

スクリーンは?

こんにちは、桜庭です。

プロジェクターも新製品が続々出てきて、映像クオリティ面が非常に気になり秋葉原店でもどれにしようか悩まれるお客様も多いです。

でも、プロジェクターも大事ですが、もっとスクリーンも重要ですよ!
という事で、スクリーンについてもチラっと語ってみます。※すいません、書き始めたら大変長くなってしまいましたので、暇な時に読んでみて下さい。

よくAV専門誌で推奨スクリーンでスチュワートのHD130とかキクチのホワイトマットアドバンスとかオーエスのピュアマット2プラスとか出てますね。
実際のところどうなんでしょう?

国内メーカーのキクチやオーエスでも100インチで電動ですと定価で20万超えますし、スチュワートは70万ぐらいと、専門誌で良い評価だから買ってみると言っても、決して安くはない価格です。

確かにスチュワートは別格です。シアター用プロジェクターを作っているメーカーでこのスクリーンを持っていない所はないでしょうし、評価用としても視聴用としてもリファレンスであることは間違いないクオリティです。
一般ユーザーにとってはそこまでは手が出ないにしても、オーエスのピュアマット2プラスやキクチのホワイトマットアドバンスでもクオリティは十分満たしてくれるレベルではあり、いずれも「マットタイプ」です。

では、本当にそういったスクリーンを選んでおけば間違いが無いのか?
今のプロジェクターは昔に比べれば遥かに明るくなりましたしビーズやパール生地で明るさを稼ぐ必要もそれほどありませんし、マットタイプを選んでおけば無難じゃない?というところもあり、答えはYESでもありNOでもあります。

秋葉原新本店のご視聴ルームでは天井や壁を黒く塗ってしまい、床も濃いグレー色のタイルカーペットと一般家庭のご視聴環境とは程遠いところまでやってしまっております。
専用ルームで似たような環境にされているユーザーもいらっしゃいますが、たぶんそこまでやられたユーザーならわかると思いますが、プロジェクターの能力を発揮できるのはスクリーンも重要だけど壁や天井などの迷光対策の方が遥かに重要だったと実感されているかもしれません。
そこまでご視聴環境を作れるユーザーにとってのオススメは上記のようなマットタイプになります。

ただ、そこまで出来るユーザーは限られておりますので、一般的には白系の壁や天井で絨毯やフローリングなどがかろうじて濃い色というのが限界じゃないでしょうか?
そういった環境で「マットタイプ」がベストかというとNOです。

ここで「マットタイプ」って何?という事でどういう特性を持っているのかを簡単に写真で説明します。

Wmatadturnfr まずは正面から撮影

Wmatadturnr30 斜め30度ぐらいから撮影

Wmatadturnr45 斜め45度ぐらいから撮影

Wmatadturnr75 斜め75度ぐらいから撮影

Wmatadun ついでに下方向からも

※プロジェクターはビクター:DLA-HD550、スクリーンはキクチ:ホワイトマットアドバンス

このようにどの角度から見てもスクリーンに入ったプロジェクターの光が均一に反射してくれて、プロジェクターの本来のコントラスト感をどの角度からも味わえるのですが、この特性がリビングなど白い壁や天井の環境において弱点となってしまいます。

画像のような少し明るめのシーンですと、白い壁や天井のお部屋ですと、実際にそのような環境のユーザーなら良くわかると思いますが、お部屋が照明を点けていなくても多少明るくなってしまっていると思います。

写真の状況では天井や周りの壁なども黒いのでスクリーンに反射した光がそちらに逃げてしまっても、2次3次反射を強く発生しませんので、ビクターのコントラスト感の高い映像を見せつけてくれてますが、一般的には75度ぐらいの撮影位置は白い壁があるところだと思います。

そこに正面と同じだけ光が逃げてしまうと、横の壁や天井がご視聴位置よりも近い距離なので光量も強く綺麗に2次反射を発生させます。壁や天井は白系でしたら光を吸収する事はまずないので、そこから更に拡散して3次4次反射を生む事になり、最終的に明るいシーンですとお部屋全体が嫌でも明るくなってしまい、それがスクリーンに戻っていき、照明を点けていないにもかかわらず、照明をつけているかのような状態でのご視聴になってしまい、プロジェクター本来の色やコントラスト感が出なくなってしまいます。

時々、お店と同じプロジェクターでスクリーンも同じでプレーヤーも良いのを使っているが、同じ映像が映ってくれないけど何がダメなのか、というご相談を頂きますが、答えは壁と天井の色が全然違うというだけです。

じゃー、壁や天井を濃い色にすれば・・・、ほとんどのユーザーは無理だと思いますweep

そこで、唯一対策できるのがスクリーンの反射特性です。プロジェクターをもっと明るくすればという案もありますが、それでは色やコントラストや動画応答性でクオリティが低い製品になってしまいますので、個人的には即却下ですsmile

キクチやオーエスなどはビーズやパール生地といった反射率の高い生地を作っておりますが、近年のプロジェクターでは明るさを稼げるという目的よりも反射に指向性を持たせてスクリーンの正面に対して有効にプロジェクターの光を反射するメリットが重視されております。

ビーズはどのような感じになるのかをキクチのシアターグレイアドバンスの投射画像で見て頂くと、こんな感じになります。

ここで、一つ問題が・・・。

デジカメがバカなので、どの角度で撮影しても明るさ補正をかけているのかほとんど差が見分けれません(汗)

という事で、実際にお店で見て頂くとわかりますが、ブログでは映像加工処理を施させて頂きますhappy02

Tgadturnfr_2 まずは正面、マットタイプよりも少し明るくなります。

Tgadturnl15_2 15度ぐらい斜めから、スクリーンの端ぐらいの位置ですが、これぐらいならマットより暗くなる事はありません。

Tgadturnl45_2 45度ぐらい、これぐらいの角度でマットタイプと同じぐらいの明るさになります。

Tgadturnl75_2 75度ぐらい、ここまで来るとマットタイプよりも暗く見えます。

手を加えた画像なので、少しわかりやすくいじってしまいましたので誤解を生むかもしれませんが、どんな感じか見てみたいお客様は一度秋葉原店で実際にご覧頂いた方がご納得できるかと思います。

上記の画像のようにビーズやパール生地というのは正面から来たプロジェクターの光を横方向に拡散してくれません。※上下方向も似たような感じですが、天吊りや床置きレベルの高低差ならプロジェクターの光量が半減するような見え方にまではなりません。

という事は、横や天井の一番近い白い壁に対して強い光が逃げにくくなりますので2次、3次反射の光量の強さがマットタイプより弱まります。

合わせて2次、3次、4次反射でスクリーンに戻ってくる周りからの光の拾い込みも、ご視聴位置のスクリーンの正面に対して返りにくいので、マット生地に比べて、プロジェクターのコントラスト感を綺麗に出してくれる事になります。

キクチではビーズタイプでも普通の白いビーズと今回画像で紹介した少しグレー色のシアターグレイという生地の2種類ありますが、実際にマットタイプのスクリーンゲインは0.8~1.0でビーズ系ですと1.5~2.5ぐらいと、マットタイプに比べると倍以上の明るさを持っております。

白系のビーズを導入してしまうとテレビっぽい明るい映像になってしまいますが、スポーツや紀行物などやライブなどを見る機会が多いユーザーにとってはちょうどいいかもしれません。

映画好きにとってはちょっと明るすぎるというところもありますので、グレー色の生地のシアターグレイが一番バランスが良いと思います。

キクチのサンプル生地で比べてみると

Screensample

上からホワイトマットアドバンス、グレイマットアドバンス、150PROG(白いビーズ)、シアターグレイアドバンス(グレー色のビーズ)となります。

シアターグレイアドバンスはだいぶグレー色してますが、別に白がグレー色になってしまうレベルではありませんので、単にピークの明るさを白いビーズより抑えてなるべく黒を出せるような特性なので、光の反射指向性を重視したスクリーンだと思って下さい。メーカーのカタログにはグレイマットアドバンスでリビング向けなんて書いてありますが、どうなんでしょう?私の口からは言えませんが、絵文字でbearing

プロジェクターは最近買換えてだいぶ良くなったけど、スクリーンはそのままというユーザーも多いと思いますが、壁や天井が白系の環境でしたらスクリーンを変えると全然変わるかもしれませんよ。

いやー、だいぶ長くなりました。渡部先生のイベントレポート並になりそうなので第1回目はこれぐらいにしておきますcoldsweats01

え?1回目?2回目もあるの?

某メーカーがきっと近いうちにリビング向けのビーズ系の新しいスクリーンを出すと思うので、その頃にでも・・・。未定だったっけかな?

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スクリーンは?を参照しているブログ:

コメント

はじめまして。
まだプロジェクターを買ったことのない素人です。
何年も前からプロジェクターが欲しくて、
ネットの記事を読み続けています。
秋葉原本店には、昨年初めて行きましたが、
スタッフの方に声もかけられず、帰ってきてしまいました。
プロジェクターに関しては、ネットの記事で知識はたくさんになりましたが、
スクリーンに関して、こんなにていねいに書かれたものは初めて読みました。
いつか入手する時のバイブル(^o^)にしたいと思います。
考えてみれば、オーディオも
最終的には、部屋のつくりの問題を解決しなくてはいけませんものね。
今度お店に行く機会があったら、勇気を持ってスタッフの方に話しかけてみます。
これからも、ブログを楽しみにしています。

こうじ@季節の小箱 さんへ

あまり他のサイトをチェックした事がありませんが、スクリーンは半分はやってみないとわからない事も多く、難しいから多くは説明されていないのかもしれませんね。
映像系は読むよりも実際に見たほうが全てが解決しますので、またご来店の際には折角ですからスタッフへお声をおかけ頂いて見て体感して下さいね。

初めまして。
迷光処理が出来ないと言うことで
シアターグレイアドバンスを検討しています。
天井ではなく高さ110cmの台の上に置いての投射でソ座高35cmのソファーに座っての視聴は問題ありませんか?

初心者君さんへ

シアターグレイアドバンスをご予定という事で、ご視聴環境的にスクリーンの高さ中央付近にプロジェクターを設置する事になるかと思いますが、その辺りでしたら別に視野角が狭くて暗く映るというレベルでもありませんし、十分問題ないと思います。
ブログ内の画像でシアターグレイアドバンスは結構グレイ色のように見えますが、色がおかしくなるような事もありませんし、黒側がしっかり締まりますのでオススメですよ。

ちなみに19,20日に秋葉原店でイベントを行いますが、その時にオーエスの新しいビーズタイプの生地もご視聴できますので、そちらも結構オススメです。
もしご都合がよろしければ是非ご来店下さい。

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