アズール650BD対DMP-BDT900イベント報告!! 後編
後半も渡部が担当します。
▮ここから音声比較に切り替えます。
DMP-BDT900のアナログ映像DACをオフにする「ハイクラリティーサウンド」は有効にしてあります。VSA-LX53はMCACCの補正を使わず、バーチャルスピーカーもオフにして、純粋な5.1chでの再生で比較します。
最近のイベントの定番になりつつある「MTV Unplugged ayaka 絢香」から「みんな空の下」で、空間表現力と声のリアリティーなどをチェックします。
アズール650BDは、声の反響が強めに出て会場が広く感じます。ホールの雰囲気が良く出て、会場に居るような感覚になる程リアルです。声の張り出しも強く、感極まった絢香の熱唱が感動的に胸に響きます。反面システムやソフトによっては、ややバランスを崩しかねない神経質さも感じます。DMP-BDT900は、ホールトーンも声の張り出しも、650BDに比べると控えめに感じますが、非常にバランスの良さを感じます。高域の強音部も耳障りが良く、どんなシステムやソフトが来ても破綻の無いように調整された感じがし、安心感のある音です。
次も定番視聴ソフト「HIT MAN DAVID FOSTER&FRIENDS」から、アンドレア・ボチェッリとキャサリン・マクフィーによる「THE PRAYER」で、男声と女声の声のニュアンスを聴いてみます。
アズール650BDは、ボーカルの力感も十分で後半の盛り上がりも思わずボリュームを下げてしまいそうな迫力ですが、やや歪みに寄りそうな危うさがあります。DMP-BDT900は、ボーカルも歪み感の少ない安定した音で、やや整理された感はありますがS/Nの良い綺麗な音を聴かせます。HDMIで映像と音声を分けて出力している良さでしょう。このあたりがアンケート結果での好印象に反映されていると思われます。
「THIS IS IT」では、ビート・イットのシーンでロック系の音との相性を確認します。
ギターサウンドは、アズール650BDの良い意味での荒っぽさがハマっている気がします。両機共に低域の量感は互角で、ウーハーのSUB111.2ESPがクリップ寸前になるくらいブイブイ鳴らしてました。バスドラムのダンピングの強さは、ややDMP-BDT900の方がある印象で、音に躍動感があります。
最後は「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフ対バルログのシーンで、サラウンド感と迫力をどれだけ出せるかチェックします。
DVDでは飽きるほど再生してきたシーンですが、ブルーレイでは初めてイベントで再生します。前半の天井を這い回るオーク達の金切り声や地下道の反響音は、アズール650BDの方が喧しく響いていた感じがしますが、後半のバルログの咆哮はDMP-BDT900の方がやや迫力で勝っていた感じがしました。
それぞれの音の印象は、アズール650BDは中高域が張り出す主張の強い音で、ヤンチャな部分はありますが全体的に力のある音です。DMP-BDT900の音は、バランス良くコントロールされ、ややこじんまりとまとめられた印象ですが、エネルギーバランスはピラミッド型でどっしり安定します。両機ともこのクラスとしては十分なクオリティーだと思います。ロスレスの醍醐味は十分に味わえます。
最後に今回マルチチャンネルイベント初登場のELAC 180LINEシリーズですが、トールボーイのFS187は低域を欲張らず、ブーミーにならない切れのある音で好印象です。センタースピーカーのCC181も音離れが良く、画面とセリフがシンクロしていました。ウーハーのSUB111.2ESPも凶暴な低音とまではいきませんが、雑味の少ない上質な低音を聴かせてくれました。
対決イベントは10月10日の第二弾「BDP-83SENE対UD8004」に続きます。
第三弾は「DMR-BWT3100対BDZ-AX2000」をやろうかなと思っています。
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