PerfectWaveとMRE130とPearlのGraudio AKIBAイベント報告
スペイン対アルゼンチン戦(もちろんW杯です)の実現を希望する渡部です。
遅くなりましたが6月6日に行いました『Graudio AKIBAリニューアル記念!! リファレンスシステムお披露目イベント第1弾!! 「PerfectWave SYSTEM」+「MRE130」で聴く次世代オーディオスタイル!!』 (長いな)のイベント報告です。
リニューアルしたGraudio AKIBAの、リファレンスシステムのお披露目イベントになります。
プレーヤーはPSオーディオの「PerfectWave」
パワーアンプはOCTAVEの「MRE130」
今回のイベントではOCTAVEアンプ用強化電源の「Super Black Box」をお借りしています。
このシステムで鳴らすスピーカーは、Joseph Audio「Pearl」です。
正直この「Pearl」は、能率も86dBと低く、なかなか鳴らすのは簡単ではないスピーカーです。「MRE130」単体でも鳴らせますが、やや大人しめな鳴り方で、低域の駆動も持て余し気味。切れが良く解像度の高い低域再生という点では今一歩という感じでした。
そこで「Super Black Box」を「MRE130」に繋いだところ、低域の駆動力が上がり、解像度と切れが出てきました。音の変化は低域だけではなく、音全体に躍動感が出て、やや不安定だった音圧と定位感も安定しました。このスピーカーを上品で綺麗な音だけで語るのでは不十分です。
ホッと胸をなでおろし、イベント本番を迎えました。
前日6月25日がマイケル・ジャクソンの命日ということもあり、挨拶代わりの1曲目は、ブルースペックCDのThe Essential Michael Jacksonから「Man In The Mirror」をかけました。
冒頭のキーボードに導かれるように歌われるマイケルのエモーショナルな歌声は、明瞭度が高く、リアルで実在感があり胸にグッと来ます。にわかファンで申し訳ありませんが、やっぱり凄いアーティストだな~と感慨にふけってしまいます。シンセベース?の弾むような低音がPearlから聴こえるのはMRE130+Super Black Boxならではです。
2曲目はコーネリアスのSensuousから「Fit Song」を再生。
ギターのカッティグが鮮度感と切れ味抜群に再現され、打ち込みと思われるドラムの音も、立ち上がり早くスパッと鳴ります。ほぼすべての音が瞬間的なもので構成されている曲ですが、この鮮烈な音は圧巻です。小山田さんもこれを聴いたらさぞぶっ飛ぶでしょう。
平井 堅のKen’s BarⅡのイーグルスのカバー「Desperade」 では、PerfectWave DACのサンプリングレートコンバーターとデジタルフィルターによる音の違いをデモ。
全部やってると日が暮れてしまうので、一番両極端な2つをチョイスしました。
まずはノーマルとして、サンプリング「Native(アップサンプリング無し)」、デジタルフィルター「Filter1」で試聴。個人的にはこれが一番好みで、自然でありつつも、ワイドレンジで高解像度です(今回のイベントもこれを基本にしています)。
次にサンプリングは「Native」のまま、デジタルフィルターを「Filter3」に変更します。このフィルターに変えると、高域のレンジが狭くなりますが、音に厚みと押し出し感が出てきます。所謂音像型といわれる音です。
最後はサンプリングを「176.4kHz」、デジタルフィルターを「Filter1」で聴いてみます。ややダイレクト感は減りますが、音の肌理が細かく微小信号の再生が綺麗で、音に余韻が生まれます。こちらは音場型と言えるのではないでしょうか。
このようにこの2つを組み合わせることで様々な音色を作ることができ、それもPerfectWave の魅力のひとつです。
Blu-spec CDの「Feel the Difference of the Blu-spec CD Jazz Selection 2」では、Blu-spec CDと通常のCDによる音質の違いを検証してみました。
このディスクは2枚組みになっていて、Blu-spec CDとCDの聴き比べが出来るようになっています。PerfectWaveは、内蔵メモリーにリッピングを行ってから再生するので、差が出ないのではないかと予想しました。
マイルス・デイビスの「Someday MY Prince Will Come」を聴いてみると、 Blu-spec CDの方が全体的に明るめの音調で、通常のCDプレーヤーと同じ傾向の差が出ました。特にピアノは、CDではややこもり気味でしたが、Blu-spec CDでは高域が綺麗に抜ける様になります。
CD試聴最後はJacinthaのAutumn Leavesから「Moon River」を再生。
何で鳴らしても良い音がするCDですが、やっぱりこのシステムで聴くと違います。もちろんオーディオシステムでその場に居るような音など鳴るはずもないですが、録音スタジオのコンソールで、リアルタイムにスピーカーを通した音を聴いているような鮮度を感じます。前半のジャシンタのアカペラは、空間にフワッと広がるのではなく、ピンポイントに浮かび上がる感じです。「Pearl」は、イメージでは音場型だと思っていたのですが、結構カッチリと音像を描きます。
続いてHRxの176.4kHz/24bitのWAVデータを収録したDVD-Rを再生しましたが、長くなりそうなので、バッサリカットさせていただきます。
最後に、192kHz/24bitと96kHz/24bitのWAVデータをパソコンでDVD-Rに焼いた物を再生したのですが、これが一番参加者の食いつきが良かったように感じました。
綾戸智恵さんの「You've got a friend」は192kHz/24bitのWAVデータで、音の密度感がCDとは比べ物にならず、音のハイビジョンという感じです。ただ綺麗なだけでなく、声に張りがあります。
Brian Brombergの「The saga of Harrison Crabfeathers」は96kHz/24bitで、冒頭凄まじいウッドベースのソロがありますが、「Pearl」の低域再現能力が垣間見れます。最低域になるとこの部屋では若干厳しくなりますが、これだけ解像度の高い低音を信じられない重低音まで再生するポテンシャルは十分分かります。でもMRE130+Super Black Boxじゃないとここまで出ません。
ここで7月10日の「夏直前! 熱い高音質ROCKフェスティバル!!」の予告もかねて、イーグルスの「Hotel california」を再生しました。192kHz24bitですが、CDで飽きるほど聴いてきた音との違いに呆然としてしまいます。はやくメジャーなレーベルが高音質配信をしてくれないかな~と切に思います。ロックであってもハイビット・ハイサンプリングの恩恵は大きく、録音の古さを感じさせない鮮度の高い音で、各音の明瞭度、特にギターの粒立ちの良さに耳がいきます。
最後のエルトン・ジョンの「Candle in the Wind」は皆さんぶっ飛んだと思います。96kHz/24bitですが、張りのある煌びやかな音は、別次元の音のような強烈な印象を与えます。アコースティックギターによるバージョンですが、カッティングやハーモニクスの音が、何じゃこりゃ~というような、リアリティーを通り越した音で鼓膜に響いてきます。
チョットでも興味が出てきた方にお知らせです。7月10日に、リファレンスシステムお披露目イベント第二弾として、「夏直前! 熱い高音質ROCKフェスティバル!!」を行います。堅苦しくなく、新旧ROCKを高音質で聴いて楽しもうというイベントですので、ROCKファンもオーディオファンもお気軽にご参加ください。
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