パナソニックDMR-BW970対ソニーBDZ-EX200の対決イベントを終えて!
サイボーグ009では004(アルベルト・ハインリッヒ)が一番好きな渡部です。
11月8日に行いました「禁断の直接対決シリーズ DMR-BW970対BDZ-EX200」を終えての感想を少し書きたいと思います。
こういう対決イベントについては、なかなか販売店の人間としてはコメントしづらいですが、あくまで渡部個人の感想として参考にしていただければと思います。
イベントの準備段階で、対決デモ用のソフト選定をしましたが、昔のDVDプレーヤーと違って、どちらかがエラーが出たり映像が破綻するような事がないので苦労しました。
ちなみに、映像比較は両機共にデフォルトを基本にしています。DMR-BW970はリアルクロマプロセッサをオートにし、BDZ-EX200はS.B.Mをオンにしています。Deep Colorは共にオートもしくはオンです。
いろいろ見る中で段々分かってきたのは、フォーカス感とノイズ処理の違いです。
イベントで使用したブルーレイ「グランド・キャニオン・アドベンチャー」では、IMAXカメラで撮影された解像度の高い映像を、DMR-BW970は、スチュワートのウルトラマット140インチに精細感たっぷりに映しますが、対するBDZ-EX200は、切れの良い輪郭で、クッキリとややメリハリ調の映像です。
同じくブルーレイ「ノーカントリー」は、冒頭の空のグラデーションが、以前のDMR-BW200では等高線状の段グラが発生していましたが、DMR-BW970とBDZ-EX200はさすがに滑らかな階調で描きます。両機の、階調ロスレスシステムとS.B.Mそれぞれが効いてると思われます。
このソフトは輪郭がやや太字傾向の画作りですが、DMR-BW970よりもBDZ-EX200の方が、その傾向が強めに出ます。
DVD「タイタニック」では、冒頭の潜水艇が海深くに降りていくシーンで、段グラの出方をチェック。このシーンはDVDプレーヤーでも再生が難しいですが、両機ともにギリギリで抑えています。
両機共、DVD再生機として十分なクオリティーの再生画質ですが、個人的にはBDZ-EX200のエンハンサー(輪郭強調)を少し落としたい。また潜水艇や人物に強めの擬似輪郭が乗りますが、DMR-BW970の方が目立ちにくいです。
比較は録画画質に移り、最初はDRモード同士の比較です。
WOWOW録画「アポロ13」のこのシーンは、背景に粒状ノイズが多く、被写体深度がやや浅く人物にフォーカスが合い、背景がボケるというシーンです。ズーム率が変化し、それに応じてバックのぼやけ方も変化します。
粒状ノイズは、DRC-MFv3が効いているのか、BDZ-EX200の方が目立ちません。ノイズの数が少ないというよりは、ちらつきのピークが抑えられて目立たない感じです。ボケ感の描き方はDMR-BW970の方が自然で、BDZ-EX200はフォーカスの合っていない部分の輪郭がややクッキリ気味になります。ただし見た目の先鋭感はBDZ-EX200の方があります。
次は、個人的に重視している、地上波デジタルのバラエティー番組の録画画質を、同じくDRモードで比較。BSデジタルの転送レート24Mbpsに比べ17Mbpsと少ない地上波デジタルは、特にバラエティー番組の画質があまり良くないですが、最新のレコーダーの録画・再生能力を検証してみました。
何でも良かったのですが、「クイズ雑学王」を録ってみました。
このようにカメラが引いた画の顔や、セットの赤い部分などがブロック状に崩れやすいですが、チューナー性能か、映像処理能力の差なのか、BDZ-EX200の方が崩れが少ないです。この位ならば気にせず視聴できます。DMR-BW970は、赤い部分のエラーなどはほぼ抑えられてますが、顔の崩れは少し気になります。
ここからAVC録画画質比較です。
ほぼ12MbpsのBW970 HG対EX200 XSRでは、WOWOW「トリプルX」を使用。
2台とも、このくらいでは圧縮による画質劣化はほとんど感じさせない。ここでもややBDZ-EX200の方がクッキリ感がありますが、フォーカスの表現はDMR-BW970の方が自然です。
約8MbpsのBW970 HX対EX200 SRは、WOWOW「アイ・ロボット」で比較。十分観賞用に使える画質ですが、この辺りからそれぞれのエンコーダーの差が明確に出てきます。
肌の艶っぽさ、情報量の豊富さでBDZ-EX200が勝ります。DMR-BW970の画質も、8Mbpsというレートの低さを感じさせない安定した画質ですが、BDZ-EX200 SRモードの、DRモードと遜色の無い鮮度感は圧巻です。
AVC録画比較最後は、約3MbpsのBW970 HM対EX200 LRを、WOWOW「TAXY NY」で比較。さすがにここまで来ると、画質劣化が目に付きます。大事なタイトルをこのモードで録画しようとは思えません。
ここでも赤い服や顔等が崩れやすく、DMR-BW970では、解像度の劣化と崩れ、MPEG圧縮に伴う輪郭のノイズ等、もう見てられない位ですが、BDZ-EX200も同じように劣化はしつつも、ギリギリ破綻をまぬがれ踏みとどまります。
個人的には、録画画質ではBDZ-EX200に軍配を上げます。
この対決では、音質比較の方が気になる方もいらっしゃると思いますが、私もそうです。
比較はモニターオーディオ「シルバーRXシリーズ」+ビクター「SX-DW75」をオンキョー「TX-NA5007」で鳴らします。
DMR-BW970は「シアターモード」、BDZ-EX200が「HDMI AV独立ピュアモード」での比較になります。(今回はあえてDeep Colorをオフにしないで比較しました)
最初はクリス・ボッティのライブブルーレイより「AVE MARIA」を再生。このトランペットがフワッと綺麗に広がるかどうかで、オーディオ再生能力が分かります。
2台ともレコーダーでは難しいこの再生が出来ていました。特にBDZ-EX200は高級プレーヤーに迫るような空間情報量で、音の分離・粒立ちも良く、HDMIのAV分離出力のメリットが十分感じられます。
同じディスクの「SHAPE OF MY HEART」でも、ボーカルの広がり感、各楽器のリアリティー共にBDZ-EX200の方が印象に残ります。
最後は北米版ブルーレイ「トランスフォーマー リベンジ」の、圧巻の音と映像を再生して比較。TX-NA5007とシルバーRXシリーズによる再生は、スケール感では及ばないものの、音質グレードは十分ハイエンドシステムに迫るものです。
DMR-BW970は、低域の量感で迫力を演出するのに対し、BDZ-EX200は切れの良い音で、アクションにスピード感を出します。
少し軽めに書くつもりが、終わってみたら普通のイベント報告になってしまいました。ブルーレイレコーダー購入の参考にしてもらえればこの苦労も報われます。
やはり販売してる立場では『こっちがいい』って言いにくいですよね(笑)
わたしはパナのBW900を wowow 録画専用で使用していますが(もちAVACさんで購入しました) そうとう画質も音質も進歩しているようですね、970ほしいなぁ・・・
投稿: ばかおやじ | 2009年11月12日 (木) 20:10
わたしも最近BW930に替えましたが、BW970はまた映像良くなってますね。
パナソニックの特徴だった、ややのっぺりした質感が改善され、立体感と透明感が出るようになりました。
階調ロスレスとリアルクロマプロセッサplusが効いていると思います。
ナチュラル映像派はBW970でしょうね。
投稿: アバック渡部 | 2009年11月14日 (土) 12:06