ALLION T-200SVのイベントレポート!
みなさんこんにちは、先日出水電器の最新作ALLION T-200SVのイベントが行われましたので簡単にレポートしたいと思います。
今回は前回を同じくご自身もALLIONのオーナーでいらっしゃるオーディオ評論家の村井 裕弥先生が進行役を務めてくださいました。
まずは製作者である出水電器の島元社長にALLIONの思い入れを語って頂きました。
目指した音は実際の楽器が奏でるしなやかさと余韻のある音だそうです。トランスを2台使ったモノラルステレオコンストラクションやフューズを使わないブレーカースイッチ、出川式電源などほとんど採算度外視のやれる事は全てやったアンプが今回のT-200SVだそうです。
それでは早速聴いてみましょう。
フュージョン:マーカス・ミラー:パワー
強烈なベース音が部屋全体に響き渡る、低音が団子にならずとても高解像度なクリアーな低音は、アンプの駆動力の高さを示している。
ジャズ:ビル・エヴァンス:グロリアズ・ステップ
ピアノの分離感、艶とも申し分なく、先ほどと同様に解像度の高いウッドベースを聴かす。
女性ボーカル:中谷泰子:It Could Happen to You
声の厚み、奥行き感が素晴らしくまさに目の前で歌っているようである。ピアノも重くならずどこまでも軽快である。
ロック:ベンチャーズ:ダイヤモンド・ヘッド
切れのある往年のあのベンチャーズサウンドをたっぷりと楽しんだ。広がり感に富む厚みのある音である。
フュージョン:YMO:テクノポリス
歯切れの良い重低音と共にシンセサイザーサウンドが炸裂、音の輪郭をしっかり描きつつ音がきつくならない滑らかを持つ。
男性ボーカル:吉田拓郎:夏休み
ヌケ良い厚みのある歌声はとても説得力があり、口笛の美しさにハットさせられた。
男性ボーカル:ビリー・ジョエル:オネスティ
深く沈んだベースが部屋全体に広がり、透明感豊かな歌声が中央に定位する。この爽やかな音はアンプの性格をよく表している。
ピアノ:菅野邦彦:Can't help lovin' dat man
骨格のしっかりしたパワー感ある演奏を聴かせる。ピアノの美しい倍音の減衰のしかたが見事である。
ジャズ:アイク・ケベック:春の如く
心に訴えかけてくるような濃厚なサックスの音に酔いしれた。独特な雰囲気をしっかり表現する見事な演奏である。
休憩を挟み第二部へ
クラシック:ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート1992:雷鳴と電光
軽快かつ切れのある演奏だが、重心が低いしっかりした低音を描きだす。
クラシック:ヨハン・シュトラウスⅡ世:雷鳴と電光
先ほどと同じ曲を1975年の演奏で聴いてみた。こちらの方がより軽快でしなやかであり、良い意味で力みが無いように感じた。
クラシック:河村尚子:夜想曲第20番
余韻豊かな美しいピアノの倍音に魅了される、音に包まれる感じが心地よい。
クラシック:ヴィヴァルディ:ラ・ストラヴァガンツァより協奏曲作品4-1
しなやかさと艶やかさが両立した美しいバイオリンを十分楽しんだ。この潤い感はALLIONの特徴とも言える。
クラシック:バッハ:ブランデンブルク協奏曲第2番第1楽章
トランペットの生々しさがとても印象的である。荒々しさと静けさの陰影が見事に描かれている。
クラシック:ベートーヴェン:交響曲第9番 冒頭の拍手から第1楽章、第4楽章
冒頭の拍手の臨場感に圧倒された。管楽器の吹き上がり感が素晴らしい重厚な演奏を楽しんだ。
クラシック:シューベルト:交響曲第8番《ザ・グレイト》第1楽章、第4楽章
先ほどとは違いとてもゆったりとした演奏であり、一音一音の分離感に富んだレンジの広い演奏である。タイトな低音はアンプによるものと思う。
クラシック:ブラームス:交響曲第1番第1楽章
音の厚みに圧倒された、陰影感ある反応の早い演奏を楽しんだ。
総評:何ともいえない艶ややかさと滑らかさは、まさに唯一無二であり、他のモデルには無い独特の世界を持っているアンプである。
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