昨日は”マッキントッシュ真空管プリアンプC22(限定モデル)徹底試聴会”がありました。
みなさんこんにちは、アバックGraudioの福田です。昨日はマッキントシュの管球プリアンプC22の発売記念イベントがありましたので簡単にレポートしたいと思います
まずはC22が国内限定100台で再販された背景を説明いたします。
今回の主役C22
オリジナルC22は全段チューブアンプで1963年発売され、パワーアンプのMC275とのコンビで大絶賛されました。1995年に一回目の復刻モデルが再販され、2009年にMC275とのゴールデンコンビで創立60周年記念モデルとして二回目の復活を飾ります。そして多くのリクエストに答えるため日本限定100台モデルとして三度目の復活をしたのが今回のモデルになります。もちろん現代的なアレンジを施してあるそうです。一番の違いは当時のC22は真空管を9本使っていたのに対し今回のモデルはフォノ部分も入れて6本で入力段にはオペアンプを使用しているそうです。
相棒のMC275
システム全体
それでは早速試聴してみましょう。
女性ボーカル:Jane Monheit:Misty
管球アンプ独特の艶があり、歌声は色香を感じさせます。またとても温度感がある音で思わず音楽に引き込まれる。
バイオリン:五嶋 みどり:Encorel
バイオリン特有の繊細なタッチもしっかり表現され。伸びのある美音を堪能した。
クラシック:展覧会の絵
十分な量感を伴い音離れがいい低音が素晴らしく、30cmウーハーをしっかりグリップしている。
ここでマッキントッシュの特許でもあるユニティカップルド回路についての説明。
この回路、管球式パワーアンプ全てに搭載されているそうで、真空管パワーアンプの殆どの回路では真空管からの4000Ωの信号を出力トランスに入力しこれをトランス内にて4~16Ωの通常の信号へと変換します。
この方法ですと、出力トランスに大きな負担がかかり、電気的な信号ロスはかなり大きなものとなります。周波数帯域は狭くなり(~1.5kHz程度)、歪みを伴う音になりがちです。
マッキントッシュのユニティカップルド回路ではトランスへの入力を980Ω(より低いインピーダンス)で行なうことが可能になります。
この方法ですと、出力トランスへの負担は減り、信号ロスも少なくなります。周波数帯域はより広く(6kHz以上)、可聴周波数帯域での歪みは殆どなくなります。
コントラバス:GARY KARR:Aranjuez
ホール感を伴った伸びのあるコントラバスの音が部屋全体に響きわたり聴く者を引き込む。重低音も十分でスケールの大きい演奏を聴かせる。
ギター:LAGE LUND TRIO+1:スターダスト
ウオームで響きが美しいギターの旋律が印象的である。サックスとギターのアンサンブルが秀逸。
ジャズ:オスカーピーターソン:Quiet Night of Quiet Stars
コロコロと転がるようなピアノが実に軽快で、量感タップリのウッドベースと共にご機嫌な演奏を展開。
ピアノ:HANK JONES:NICA'S DREAM
リズミカルかつスリリングな演奏である。パカーションの歯切れの良さが抜群な熱気溢れる演奏を楽しんだ。
女性ボーカル:The Count Basie Orchestra:Travelin' Light
ビッグバンドを背景に強烈なビブラートが特徴のボーカルが浮かび上がる。全体の広がり感が素晴らしい。
バイオリン:Hilary hahn:PAGANINI
切れ味バツグンのバイオリンが適度な艶と共に展開され、聴く者を引き込んでゆく。奏者の情熱が伝わってくるようだ。
ここで60周年記念モデルの一体型オーディオセットMXA60の紹介。
真空管のプリ部を持つCD,チュナー搭載の高級オーディオセット。
その顔はまさにマッキンである。
再度C22の試聴へ戻る。
POPS:BEATLES:YESTERDAY
古い録音だがライブ録りの生々しさが凄い。まさに目の前で演奏しているかのようだ。
トランペット:Miroslav Kejmar:陶芸家の家
重厚かつヌケのよいトランペットが壮大に広がる野原のように展開、聴く者をゆったりと包む。
総評:往年の名機の再来である濃厚かつ壮大な音は、非常に魅力的であり現代的な音とは別物である。まさしくそれはマッキントッシュの世界である。
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